オープンハウス副社長、鎌田和彦さんの「LIFE WITH WINE」

ワインを楽しむ人はどのような人たちなのか?

 WINE LOVERにスポットを当てた「LIFE WITH WINE」第7弾は、東京駅で圧倒的な人気ベーカリー「ポワンエリーニュ」、銀座のフレンチレストラン「ラール・エ・ラ・マニエール」を創業し、現在は株式会社オープンハウスの副社長もされている鎌田和彦さんにお話を伺って来ました。

Q. 最初にワインに興味を持ったきっかけを教えて下さい。

14、5年くらい前ですね。ある経営者の方をゲストとして高級フレンチにお招きした際、当時、僕はワインが分からなかったので、ゲストにワインを選んでいただきました。その際、ゲストの方から「選ぶのはいいんだけど、ワインは教養の一つだよ」と言われたんです。

そこからですね。教養のひとつとして、ワインにまつわる知識や歴史・経済について学んでいきました。また、ホストとして適切なワインを選べるようにならなければと思い、ワインに興味を持ちました。それまでワインは一切飲まず、30代半ばまではもっぱらウーロンハイでしたから(笑)

Q. 普段はどのようなワインを飲まれますか?

最初はカベルネ・ソーヴィニヨンから始まりました。フランスからカリフォルニアになり、最終的にブルゴーニュのピノ・ノワールへ。赤ワインを軸に語っていく世界でしたが、ブルゴーニュ繋がりでシャルドネの事も知りたくなって、ダイバーシフィケーションが進んでいったんです。

結局、カリフォルニアにはカリフォルニアの良さがあるし、ブルゴーニュ以外のシャルドネも好きになりました。そこからドンドン広がっていったんです。シャブリも好きになって、シラー、シラーズもいいし、グルナッシュもサンジョベーゼもいい。高価なワインが良いワインという認識でしたが、ワインを知れば知るほど、単に高ければ良いという考えではなくなりました。

だから、今では色んなワインを飲んでいます。「これだけのバリエーションがある」…それがワインの楽しみだなって思うようになってからは、安価なワインも飲むようになりました。逆に安価なワインを飲んでいるからこそ、高級なワインとの味の違いが分かったりしますし。本当にワインって面白いですよね。 Q. 普段使っているソムリエナイフやワイングラスのこだわりを教えて下さい。

普段使っているのは、ル・クルーゼのオープナーですね。 キャップシールを綺麗に取ったり、コルクをソムリエナイフで抜くという行為は日本の様式美的なところがあるのかもしれません。もちろん、海外でも綺麗に取ってくれるお店やワイナリーはあります。ただ、スペインのプリオラートでワイン革命を起こした4人組のワイナリーに行った際、ソムリエナイフではなく、ル・クルーゼのオープナーを使って簡単に開けていました。キャップシールの剥ぎ方もビックリするほど雑でね。

それ以来、”キャップシールは取れればいいし、コルクも抜ければいい”、普段使うものに「様式美」を追求する必要はないと思い、ル・クルーゼのオープナーを使うようになりました。キャップシールもル・クルーゼのフォイルカッターを使って取っています。 Q. ソムリエの資格を取ろうと思ったきっかけは?

私の妻がワインエキスパートの資格を持っているんですが、ちょうど妻がワインエキスパートの勉強をし始めた頃に僕も「ワインは多様な種類があるから面白い」と考えるようになり、妻の影響もあって少しずつ知識が付いていきました。

例えば、「シャトーヌフ・デュ・パプではブドウ品種が13種類使える」だったり、「シャブリとキンメリジャン土壌の関係」もそうです。知れば知るほどワインが楽しくなって、興味がなかった品種も飲むようになりました。理屈を分かっていると美味しくなるというか、不思議と知識が付いてくるとワインも美味しくなっていきました。

資格はワインエキスパートでも良かったんですが、ポワンエリーニュだけでなく、フレンチレストランのラール・エ・ラ・マニエールも経営しているので、今後のためにソムリエの資格を取りました。 Q. 続いて、ポワンエリーニュの創業のきっかけを教えて下さい。

新丸ビルが出来た時、本来はこの場所でベーカリーを始める予定の会社があったんです。ところがその会社が出店しなくなり、その時に古くから知り合いだった、吉祥寺のダンディゾンというベーカリーのオーナーから「ベーカリー業態に興味ないの?」と背中を押され、やるからには「世界に通用するベーカリー」を作ることを目標に事業がスタートしました。

ポワンエリーニュという名前はフランス語で「点と線」という意味です。東京が起点となり「Made in TOKYOのパン」のおいしさを世界へ発信するという意味が込められています。

Q. パン作りの「こだわり」を教えて下さい。

独自に開発した国産の良質な小麦を様々な素材と自家ブレンドし、オールスクラッチ製法によりひとつひとつ丁寧に焼き上げています。オールスクラッチ製法とは粉の練り上げ(生地作り)から作る、要はゼロから作るという意味なんですが、ゼロからこの場所で作っています。

僕の考えでは、オールスクラッチ製法を単店でやっているからこそ、今のクオリティが維持できているわけです。多店舗展開の話もこれまで何度もありましたが、多店舗化するとそのクオリティが維持できない可能性があるので、やる時は慎重に考えなければいけないと思っています。 Q. ポワンエリーニュの「ワイン選び」について教えて下さい。

ポワンエリーニュには、実はリーズナブルなワインしか置いていません。

やっぱりワインもパンも日常的に楽しめるものじゃないと…日常的に楽しむモノの価格が高すぎてはダメでしょう。5,000円、6,000円以上のものは一般的に見ると高級なワインになるし、グラスワインで1,000円以上すると非日常的になってしまいます。

一般的にワインを楽しむのであれば、スーパーや酒屋さんで1,000円や2,000円のワインですし、やっぱりカジュアルに飲めるという事を大事にしています。そして、ワインの個性を重視しています。そこも考えた上でワインとパンのマリアージュを意識したワインを選定しています。

Q. 鎌田さんが特に好きなパンは?

僕は「メイプル」が好きです。「メイプル」は、ポワンエリーニュがスタートした時から提供しているパンで、カナダ産の高級メイプルシロップを生地にたっぷり練り込んだブリオッシュなんですが、実はこのメイプルシロップは変化し続けています。

何にでも言えますが、ベーカリーであれば定番の商品って当然ありますよね?その定番商品を「どれだけチューニングし続けられるか」という点は、すごく大事だと思っています。頑なに何かを守り続けるだけでいいのか?というと決してそうではないと思うんです。

ポワンエリーニュにはアンビザーという主力商品がありますが、この餡もそうですし、形もそうですし、作り方もそうです。実はオリーブオイルも使っているんですが、このオリーブオイルまでチューニングし続けています。

主力商品はずっと変わらないと思われていますが、実はチューニングされ続けているんです。 うちは「100年続くブランド」を目標にしていますが、100年続けようと思えば、主力商品も少しずつ変えていかなければならないし、そういう作り方をしているのが僕らの特色です。 Q. 最後に今後のポワンエリーニュの展開をお聞かせ下さい。

ポワンエリーニュは頑なに「100年続くブランド」を目指してやっています。そういう意味で言うと、しっかり丸の内に根付くという事がまず第一と考えています。

もし、多店舗展開していくとなれば、相当慎重にやりたいと思っています。品質にはこだわりたいので、そこがクリア出来ればですが…やっぱり最も大事なのは品質なので。

鎌田さん、今日はお忙しいところ、ありがとうございました。

ポワンエリーニュ 

東京都千代田区丸の内1−5−1
新丸の内ビルディングB1

TEL 03-5222-7005

営業時間 平日 11:00〜22:00 土曜 10:30〜22:00 日祝 10:30〜21:00

 http://www.point-et-ligne.com/

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