白カビに包まれたクリーミーな青カビチーズを知っていますか?

白カビのクリーミーな風味と、青カビのピリッとした刺激。その両方が一度に味わえるチーズをご存知ですか?

見た目は白カビチーズですが、ナイフを入れると青カビが現れるこの不思議なチーズは、フランスやドイツで造られています。日本のスーパーでも時々見かけますが、このチーズが生まれた経緯や、名前の由来がちょっと面白いので、ご紹介したいと思います。

「BRESSE BLUE」 ブレス・ブルー(フランス産)

世界一の地鶏(肉)とも言われる「ブレス鶏」で有名なフランス・ブレス地方で造られています。

ブレス地方はスイスやイタリアの国境にも近く、この地の人々は昔からイタリアの青カビチーズ「ゴルゴンゾーラ」を輸入して食していましたが、第二次世界大戦中に手に入らなくなったため、自分たちで造り始めたことから、このチーズが出来上がったと言われています。

尚、「ブレス・ブルー」とは商標で、チーズの正式名称は「ブルー・ド・ブレス」、つまりブレス地方の青カビチーズという意味です。

原料乳は牛乳。直径約7センチ、高さ約4.5センチほどのこぶりなチーズで、表皮にはうっすらと白カビが生えており、中身には青カビが点在しています。生クリームを添加して造られているので、乳脂肪分がチーズ固形分量中の55%と通常の白カビチーズより10%程高く、カットして数分おくだけで中身が流れ出てくるほどクリーミーなチーズです。

「CAMBOZOLA」 カンボゾーラ(ドイツ産)

出典:http://themightycheeseboard.blogspot.jp/

ドイツ全域で造られています。名前は白カビチーズの「カマンベール」と青カビチーズの「ゴルゴンゾーラ」を掛け合わせてできた造語で、世界的に人気のこの2つのチーズを掛け合わせ、もっと美味しいチーズを造ろうとしたことが始まりです。

「ブレス・ブルー」同様、牛乳に生クリームを添加して造られており、表皮は白カビに覆われ、中身には青カビが所々生えています。サイズは、直径約24センチ、高さ約4センチと比較的大きな円盤形なので、日本ではカットして販売されていることがほとんどです。乳脂肪分は「ブレス・ブルー」よりさらに高い70%以上で、バターのような風味です。ドイツの甘口ワインととても良く合います。

まとめ

「ブレス・ブルー」も「カンボゾーラ」も青カビ特有の刺激は少なく、穏やかな味わいなので、青カビチーズ初心者には大変おすすめです。白カビチーズのミルキーさと、青カビチーズの塩辛さが相まった独特の風味は、そのまま食べてももちろん美味しいですが、シンプルなチーズピッツアにしてもとても美味しいので、是非一度お試し下さい。

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ワインコーディネーター/ワインライター。
フランス留学後、ワイン専門店勤務を経て、ワインコーディネーターに。
飲み頃や旬を大切にワインとチーズの魅力を伝えるサロン「Wine Salon d’Ourse」主宰。飲食店や食のイベントプロデュースの他、ライターとしてワインやチーズに関する情報も発信している。
J.S.A.ソムリエ / C.P.A.チーズプロフェッショナル

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