ポル・ロジェの美味しさは細部に秘訣が!?醸造施設見学でわかったこと

出典:https://williamschase.co.uk/

今回ご紹介するのはポル・ロジェです。1849年創業、現在も家族経営を貫くメゾンとして知られています。ここの特徴は木樽を一切使わないことで、原酒をステンレスタンクで発酵させることによりブドウ本来の繊細さを引き出すそうです。

以前にポル・ロジェの本社を訪れる機会があり、醸造施設を見学させていただいたことがありました。確かに樽はどこにもなく、醸造所に様々な大きさのタンクが何基も並ぶ様子は圧巻でした。しかし、一番驚いたのはその清潔さです!

タンクはまるで磨き上げられたかのようにピカピカで曇り一つなく、タイル貼りのフロアーは塵一つ、水滴一つない状態でした。仕込み前の時期に伺ったので醸造所が稼働していなかったことを差し引いても、圧倒的な清潔さです。あまりの清潔さに無機的で冷たい印象を一瞬受けたほどでしたが、「清潔な場所だからこそポル・ロジェの味が生まれるのだ」と深く感嘆させられたものです。ポル・ロジェの味わいに冷たいとか無機質さはまったくありません。

出典:https://www.polroger.com/

そのソフトな質感と優しさはポル・ロジェ独自のスタイルといえます。派手さがないため、食中酒としてじっくり向き合うのにぴったりのスタイルです。これはポル・ロジェご自慢の「シャンパーニュで最も地下深いセラー」の存在も大いに関係しているようです。地下深いセラーは気温も低く、熟成がゆっくり進むことによりポル・ロジェ独特の繊細さが出るのだそうです。

輸入元の試飲会で久々に口にする機会がありテイスティングしたところ、2年前に飲んだ時よりもシャープになった印象を受けました。輸入元さんに伺ったところ、以前より若干ドザージュ(糖分添加量)を減らしたとのこと。それでも、柔らかで優しいポル・ロジェスタイルは健在でした。

一番有名なキュヴェは何と言っても「サー・ウィンストン・チャーチル」ですね。かのチャーチル英国元首相の名を冠した偉大な年にのみ造られるシャンパーニュです。チャーチル元首相はシャンパーニュの中でポル・ロジェを最も愛していたそうで、そのオマージュとしてこのキュヴェが造られるようになったそうです。

寒い冬に料理と一緒に大きめのグラスでじっくりと飲む――そんな楽しみ方の出来るシャンパーニュが「ポル・ロジェ」です。ぜひ一度味わってみてくださいね。

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渋谷にある隠れ家ビストロ「Bistro Ku hanare」でソムリエをやっています。趣味も仕事もワイン、という幸せ者です。

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