基本が分かる!食前酒や食後酒に飲まれる酒精強化ワインの違いとは?

皆さんは酒精強化ワインをご存じですか?酒精強化ワインとは、名前の通り「酒精を強化したワイン」のことで、つまりアルコール分の強いワインのことです。食後酒や食前酒として、お料理のソースとして、または料理とのマリアージュも楽しむことができる酒精強化ワインですが、日本ではあまり馴染みがありません。

酒精強化ワインの作り方は、ワインやブドウ果汁に、アルコールの高いブランデーを入れてアルコール分を強めて作ります。ワインのアルコール度数の上限は15度くらいですので、酒精強化ワインは15~22度くらいのものが多くみられます。

ほとんどが甘口で、酸化した風味が強いのが特徴です。アルコールの発酵中、または発酵前にブランデーを添加して発酵を停止させ、残糖を残します。そうすることでアルコールが強化され、ワインのボリューム感が増し、ワインの温度管理が難しい産地でも酸化しないため、保存性を強めるお酒として開発されました。

冷却設備などがなかった時代、アルコールが痛みやすかった暑い地域で、保存の効く酒精強化ワインは勢いよく発展しました。そして最大の輸出国のイギリスに輸出しやすい海沿いの地域に産地が集中しており、現在も酒精強化ワインの最大の消費国はイギリスです。

世界三大酒精強化ワイン

ポルトガルのポルト

ポルトガル北部、ドウロ川流域で造られる酒精強化ワインです。アルコール発酵を途中停止させてブランデーを添加して造る赤の甘口タイプがほとんどですが、白や辛口タイプもあります。ポートワインはポルトガルの宝石と称されることもあります。

ブドウはトゥリガ・ナショナ、ティンタ・ロリスなどほとんど普段名前を聞かないような品種がほとんどです。

ポルトガルのマディラ

ポルトガルの首都リズボンから南西約1000キロの距離にある大西洋の島、マディラ島で生産される酒精強化ワインのことです。特徴は発酵途中で96度のブランデーを添加することと、ワインを30~50度という高温で酸化熟成させることで、酸化臭だけでなく独特のカラメル風味がつきます。

マディラはすべて白で辛口から甘口まであります。マルヴァジアは甘口用、ボアルは中甘口用、などと品種によって甘辛度が決められています。

スペインのシェリー

スペイン南部のアンダルシア地方で造られる白の酒精強化ワインです。パロミノというブドウ品種を使用し、辛口のものがほとんどですが、甘口もあります。アルコール度数や醸造方法などによりフィノ、マンサニーリャ、アモンティリャード、オロロソなどの種類に分けられます。

アルコール度数は15度前後と、酒精強化ワインにしては控えめです。産膜酵母という微生物がワインの表明に白い膜を張るようにして熟成させるので、酸化臭とともに、独特の風味がします。また、これにイタリアのシチリアのマルサラを加えて四大酒精強化ワインと呼ぶこともあります。

その他のものとして、フランス、南フランスの地中海沿岸が主産地のVDN(Vin Doux Naturels)ヴァン・ドゥー・ナチュレル(ブランデーをアルコール発酵中に添加)や、コニャック、アルマニャックなどブランデーの産地が主産地のVDL(Vin Doux Liqeur)ヴァン・ドゥー・リカール(ブランデーをアルコール発酵前に添加)などがあります。

まとめ

飲み方としては食後酒や食前酒として頂くことが多いですが、料理に合わせて飲むこともできます。食前酒の場合は食欲増進効果などを狙っている為、辛口のものを飲むことが多いです。

また、その反対に食後酒はデザートのような意味合いが強いので、満足感もある甘口のものを飲むことが多いです。料理やお菓子のソースに使用したりもします。

お料理とのマリアージュで提供されたり、お菓子に使用されていたりと意外にも皆さんも口にしたことはあると思います。保存性があるので一本買ってみてもワインと違ってすぐに飲まなければいけないということはありません。是非一度飲んでみてください。

ソムリエ。レストラン、ワインショップ、ワイン輸入会社の勤務を経て、現在はオンラインのワインサロンを主宰しながら、様々な場所でワイン会を開催。サロンをして開業できるように準備中。ワインの楽しさを沢山の方に伝えていきたいです。

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