緑ワイン、黄色ワイン、オレンジワイン、それぞれのワインの造り方と特徴をまとめて紹介!

ワインには赤ワイン・白ワイン・ロゼワイン以外にも特殊なタイプが存在するのをご存じですか?

今回はその中でも、緑ワイン、黄色ワイン、オレンジワインの造り方の違いと味わいの特徴をご紹介致します。

ワインの造り方

その前にまずは赤ワイン、白ワイン、ロゼワインの醸造方法を簡単にご紹介します。

赤ワインは、破砕(つぶす作業)した黒ブドウを「果皮」「種子」と共に酵母を加え発酵させて造られています。逆に白ワインは、白ブドウを使用し「果皮」と「種子」は取り除かれてから破砕し、圧搾した果汁に酵母を加え、発酵を進めていくのが白ワインの特徴です。

ロゼワインは、マセレーション法といって、赤ワインと同じように発酵させ、発酵途中にロゼカラーになったところで「果皮」「種子」を取り除き圧搾します。他にも「直接圧搾法」と言って、黒ブドウの「果皮」と「種子」を取り除いて破砕し、圧搾した果汁に酵母を加え、発酵を進めていく方法もあります。

また、「混醸法」といって、黒ブドウと白ブドウを一緒に醸造する製法です。ちなみに、赤ワインと白ワインを混ぜてロゼを造るというのは、EUの規定により一般的に禁止されていますが、シャンパーニュ地方の「ロゼ・シャンパーニュ」だけは例外的に認められています。

これが各ワインの造り方の基本となります。それでは、これら以外のワインはどのように造られているのでしょうか?

緑ワイン「ヴィーニョ・ヴェルデ」

出典:conexaoportugal.com

緑ワイン(ヴィーニョ・ヴェルデ)とは、ポルトガル北部のミーニョ地方(ヴィーニョ・ヴェルデ)で生産される薄いグリーン色をした白ワインで、基本的に若詰みされた白ブドウにより造られます。ごく稀に赤ワイン用の黒ブドウから造られるタイプもあります。

「ヴィーニョ=ワイン、ヴェルデ=緑」で、直訳すると「緑ワイン」という意味になります。また、ヴェルデは、ポルトガル語で「若々しい」いう意味も持っています。

ヴィーニョ・ヴェルデの造り方は?

収穫

通常の白ワインは、熟して糖度の上がったブドウを収穫するのに対して、ヴィーニョ・ヴェルデは熟す前の若い白ブドウを収穫します。代表的なブドウ品種にはイタリア半島で栽培されているアルバリーニョ種やポルトガル北部で栽培されているローレイロ種などがあり、その若詰みのブドウから果汁を搾り醸造します。

発酵/熟成

搾った果汁を大型のステンレスタンクにてアルコール発酵させていきます。比較的、大量生産される事の多いヴィーニョ・ヴェルデでは、味わいの均一化や温度管理のしやすさを重視しているため、木樽による発酵は行われません。

また、フルーティで果実そのままの瑞々しい味わいを出すため、長期の熟成も行いません。また発酵時に生成される微発泡を残し瓶詰めされるのもヴィーニョ・ヴェルデの特徴です。

この微発泡はどこから来ているのでしょう?

そもそもワインはブドウの糖分が発酵した際に、アルコールと炭酸ガスの2つに化学変化したものです。その炭酸ガスを瓶詰めするため、ワインも微発泡となります。※スパークリングも同様。

但し『ヴィーニョ・ヴェルデ』の場合『炭酸ガス』といっても、通常のスパークリングワインのように高い気圧ではなく、大体『1気圧』くらいの弱い微発泡性となります。

※通常のスパークリングワインは6気圧くらいです。

ヴィーニョ・ヴェルデの味わいと特徴

若詰みのブドウを使用しているため、糖度が低いのでアルコールも10%前後と非常に飲みやすいワインです。微発泡の炭酸ガスも相乗して、軽やかで柑橘系のような心地良い酸味と辛さがあるのも味わいの特徴です。

 

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黄色ワイン「ヴァン・ジョーヌ」

黄色ワインと呼ばれる「ヴァン・ジョーヌ(Vin Jaune) 」というワインもあります。フランス語でVin(ヴァン)=ワイン、Jaune(ジョーヌ)=黄色という、そのままの意味です。

フランスのコンテ地方(スイスとの国境)にあるジュラという産地で造られる高級な白ワインで、サヴァニャン種というブドウ品種により造られています。基本的な製法は白ワインと同じですが、醸造後に『独特な熟成』を行うのがヴァン・ジョーヌの特徴です。

ヴァン・ジョーヌの造り方は?

収穫

使用されるブドウは、完熟させてから収穫するのが特徴です。伝統的には10月後半に収穫するので、かなり熟していることが想像できます。

発酵/熟成

熟したブドウをタンク内で約10日ほど、白ワインと同じ工程で発酵させていきます。完熟したブドウの糖分が、完全にアルコールになるまで発酵させる事により辛口に仕上がります。

木樽による熟成の期間は6年間という長期熟成で、その間にワインの表面にフロールというカビのような酵母の皮膜が出来ます。このフロールにより、程よく空気と触れることで酸化熟成を促してくれます。

※酸化熟成=通常の酸化(劣化)とは異なります。

また、ヴァン・ジョーヌ特有のヘーゼルナッツやシェリー酒のような香ばしい風味も長期熟成によって生まれます。熟成期間中に蒸発、目減りをしても、酒を補う(補酒)ことはありません。その後、620mlのクラヴランという独特な形のボトルに瓶詰めされ、長期熟成に耐えられるシッカリとしたワインに仕上がります。

ヴァン・ジョーヌの味わいと特徴

独特な熟成により、白ワインでありながらヘーゼルナッツのような香ばしい風味と、ナツメグやクミンのようなスパイシーでコクのある辛口な味わいに仕上がります。熟成したスペインのシェリー酒にも似た味わいもあります。

個性的な味わいと希少で高価な点からワイン初心者の方には難しいかもしれませんが、機会があれば是非試してみてはいかがでしょうか?

 

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オレンジワイン(醸しワイン)

最近よく耳にするオレンジワインに厳密な定義はありません。簡単にいうと赤ワインの製法で造られる白ワインの事で、分類的にも白ワインとなります。白ワインの色がオレンジ掛かっていることから、そう呼ばれています。

ルーツはワイン発祥の地ともいわれるグルジア(現ジョージア)です。アンフォラといわれる素焼きの甕(かめ)にブドウを房ごと醸したことがオレンジワインの始まりです。

オレンジワインの造り方は?

収穫

白ワイン用の白ブドウを収穫します。これは通常の白ワインと変わりありません。

発酵/熟成

通常の白ワインは果皮や種子を取り除いて、ブドウ果汁を発酵させますが、オレンジワインは白ブドウの果皮や種子をブドウ果汁と一緒に漬け込み、充分に渋味や色味成分を抽出して発酵・醸造(醸し)を行います。

これはスキンコンタクトとも呼ばれ、ワインにコクと深みを出す時に用いられています。また、天然酵母による抗酸化作用もあるので酸化防止剤の役割も果たしくれます。

オレンジワインの味わいと特徴

果皮や種子をまるごと醸すため、赤ワインのようなタンニン(渋み)とオレンジっぽい色合いが抽出されます。そのため熟した黄桃や蜜ようなコクのある風味になり、オレンジピールのようなビターな味わいが特徴です。

但し、醸しの期間や生産者の手法によっても大幅に味わいが違ってくるのもオレンジワインの楽しみのひとつです。主にオーガニックワインの生産者に多く見られ、特にイタリアの生産者のラディコンなどが有名でブームにもなりました。

まとめ

いかがでしたか?

今回紹介した中でも、ヴィーニョ・ヴェルデは比較的入手しやすいワインです。全国展開されているカルディでもよく見かけます。

オレンジワインは、シャトー・メルシャンの「甲州 グリ・ド・グリ」やココファームの「甲州 F.O.S」など日本でも固有品種である甲州から造られるオレンジワインも増えてきているので、機会があればぜひ試してみてはいかがでしょうか?

JSA認定シニアソムリエ/ワインコーディネーター/ワインセラー
都内フレンチレストランでワイン業務に従事した後に九州へ帰郷。2005年にJSA認定シニアソムリエの資格取得。現在は九州の酒販店のワインセールス業務の傍ら、「フリースタイルワイン&フード」を主宰。主に九州一円でのワインイベントや九州ワイナリーツアーを企画・開催。また、料飲店様向けのワインコンサルとしても活動中。個人的には五島ワイン(長崎)の応援団も勤める。趣味は料理。

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