もはやコンビニワインではない!これがワイン文化成熟の証!

はじめに


既に家ワインのコラムでも紹介されていると思いますが、テイスティングのお手伝いをさせて頂いた際に、あまりにも驚いたので私のコラムでも紹介させていただきます。

2013 Fort du Mirail(フォール・デュ・ミライユ)

フランス、ボルドー産の白ワインです。

もう説明の必要はないと思いますが、ボルドーは世界で最も名の通った、世界でも3本の指には入るワイン産地です。少しでもワインに興味のある方であれば、ボルドーという名を知らない人はいないでしょう。

ボルドーの凄さ


私の考えるボルドーの凄さは「生産量とクオリティ、コストパフォーマンス、ブランド力を高い次元で兼ね備えるところ」だと思っています。

生産量を誇る産地なら、チリ、カリフォルニア、オーストラリア、そしてフランス国内でも南仏のラングドック地方などは、ボルドーを遥かに凌ぐ生産量です。しかし、ボルドーほどのブランド力を持った産地はありません。

また、クオリティを誇る産地であれば、ブルゴーニュはボルドーと並ぶ銘醸地として名を馳せていますが、ボルドーの何分の一の生産量しかありません。

シャンパーニュはブランド力、クオリティ、生産量と全てにおいてハイパフォーマンスですが、その分、値段が高めです。

こうしてみると、ボルドーの特殊性がよく分かると思います。低価格のワインもありつつハイクオリティ、その名を見ただけで安心できるブランドとなれば、唯一無二の産地と言えるでしょう。

エチケットが全てではない


ボルドーについて長々と語ってしまいましたが、今回ご紹介する「フォール・デュ・ミライユ」について最も言いたいのは、「ボルドーだから良い」と言うことではなく、「このワインがファミリーマートで1000円で購入できる」という事なんです。

正直、今の仕事をしているだけであれば、このワインに出会うことはなかったでしょう。こんなワインに出会える機会を与えてくれた家ワインのスタッフの方々には本当に感謝しています。

ソムリエとか、ワイン愛好家の人たちは、ラベルからワインを選ぶスキルがありますが、そのスキルを持っているからこそ、見落としてしまう事もあるんです。このワインには、エチケットに大きく「Familly Mart Collection」と記載されています。

コンビニのプライベートブランドのワインを、ワイン好きの人が選ぶとは思えないし、それ以前に、ワインを好きな人がファミリーマートでワインを買うことはないと思います。しかし、飲めば分かるはずです。このワインの良さ、凄さが…。

サンセールと間違えるほど


香りにまず驚かされます。ボルドーと言えば、ソーヴィニヨン・ブランですが、そのソーヴィニヨン・ブランの香りが不自然なまでに過剰にしない、非常に控えめなバランス良い穏やかさ。

味わいも果実、酸、ミネラル、それら全ての要素を過不足なくしっかり感じ取れます。

自分以外の何人かのソムリエにも試飲してもらったんですが、誰も1000円のコンビニワインと言う人はいませんでした。中には「これ、サンセールでしょ?」とロワール地方のソーヴィニヨン・ブランで有名な産地を答えた人もいました。

これは嬉しい衝撃ですね。偏見を持たなければ、感動は思いもよらないところにあるんだなと…このレベルのワインがコンビニで買えると言うのは、他の国ではないのではないかと思います。これは、日本のワイン文化の独自性と立派な成熟の証と言えるのではないでしょうか。

おわりに


合わせる料理は色々とありそうですが、ここはひとつ、コンビニに売っているおつまみでマリアージュを楽しんだ方が良さそうですね。今のコンビニには缶詰から乾き物、お惣菜までありとあらゆる物が並んでいます。

手軽に買えるそういう物の中から自分だけのベストマリアージュを皆さんに探してもらいたいですね。自分好みの組み合わせをみつけられたのならワインがもっと好きになるはず。

こんな素晴らしいワインがコンビニで買える日本に乾杯!

2013 Fort du Mirail
参考小売価格 \1000(税別)

Bistro Ku Hanare Facebook
渋谷にある隠れ家ビストロ「Bistro Ku hanare」でソムリエをやっています。趣味も仕事もワイン、という幸せ者です。

関連コラム

飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されております。 Copyright © 家ワイン All Rights Reseved.