はじめに
今回は前回と同じくファミリーマートのボルドーワインを紹介させていただきます。
2012 Fort du Mirail 2012 フォール・デュ・ミライユ ボルドーの赤ワインと言えばカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローと言った品種が有名ですね。もちろんこのワインもそれらの品種を使用して造られる正真正銘のボルドーワインです。
クオリティの高さ
「白ワインを紹介したから、その流れで赤ワインも紹介ですか?」 そんな声も聞こえてくるようですが、別にそんな消極的、後ろ向きな理由でこのワインを選んだ訳ではありません。コラムに書きたくなるようなクオリティを持っているワインだと確信したので、白ワインに続いて赤ワインもオススメしています。
前回も書いた通りボルドーと言う産地はネームバリューがありつつ、コスパの良いものも多々あって生産量の多い産地。少し探せば安くて良いものは沢山ありますが、小売価格で税込1080円となれば話は変わってきます。
正直、この価格でここまでの高品質のワインはお目にかかったことがない、と言うのが筆者の偽らざる本音です。
テイスティング
色合いは艶やかなガーネット、黒みがかった濃いめの紅色です。しっかりした色調で輝きがあります。高級感を感じさせてくれる色合いですね。
香りは複数の品種(カベルネ、メルロー)をブレンドしたことによる多様性と石のようなミネラル感。メルローの香りを前面に感じるのでブレンド比率はカベルネよりメルローが多そうです。
味わいはスムースなタンニンとメルローから来るいい意味での土っぽさ。黒系果実のコクがありますが強過ぎず、スルスル飲める優しい味わいです。
ちなみに「土っぽさ」というのは、ある特定の食材との好相性に一役も二役も買って出てくれる重要な要素です。
和食で言えばタレやツメを使ったもの、それ以外でも根菜を使ったものやキノコ類を使ったものと非常に寄り添います。例えば、穴子の煮付けやきんぴらごぼうと好相性を見せてくれることは容易に想像が付きます。嬉しいことにきんぴらごぼうならコンビニでも買えますしね。
コンビニでマリアージュ
フランスなどヨーロッパならマルシェでフレッシュなチーズを買ってワインと合わせます…そういう風景ってすごく憧れたりしますけど、日本だって負けてはいませんね。 コンビニで買ったワインにコンビニで買ったお惣菜を合わせる。これだってれっきとした日本独自のワイン文化、ヨーロッパに決して引けを取らないステキなワインの楽しみ方だと思います。
もちろんこのワインならチーズにだってOKです。
ちなみに筆者はファミマでこのワインと「カルビー厚切りポテリッチ濃厚うま塩味」を買いましたが、かなり良い具合にマリアージュしています。
シャンピニオンとポルチーニの濃厚なフレイバーのポテトチップスなので、それがこのメルローの比率の高いワインに合う要素みたいです。ジャガイモも土っぽさのある食材ですしね。
B級グルメを気取っている訳ではないのですが、こんなに気軽に楽しく飲めて本当に嬉しいです。
おわりに
このワインの産地のボルドーがすごいのは当然ですが、このワインを企画した会社とその人達、そういういろいろな人の思いが一つになりそれが相乗効果となって出来たワインが自分の手元にある...そう考えればなんだか非常に感慨深いものです。
芸術作品ではないので、こう言ったものは決して1人や2人の力では生み出されません。
もう一度、こういうワインが飲めるこの国のワイン文化に乾杯!