イタリアの中のドイツ?トレンティーノ・アルト・アディジェ州のワインとは?

はじめに

トレンティーノ・アルト・アディジェは、イタリア最北端の州で優良なワインを生産している地域です。スイス、オーストリアに接する北部アルト・アディジェ地区と州都トレンティーノがある南部トレンティーノ地区に分けることができます。

州の土地の約85%を山岳地帯が占め、世界中からトレッキングやスキーを目当てに多くの人が訪れるほど有名な地域で、州の中心をアディジェ川が流れ、その周りでワインが生産されています。そのため、高地の斜面を利用してワイン畑が広がっており、気候、標高、土壌に応じた多くのぶどう品種が栽培されています。

アルト・アディジェ地区

出典:http://www.kellereibozen.com/

アルト・アディジェ地区は、長い間オーストリアに支配されていた歴史を持ち、南チロル地方とも呼ばれ、ドイツ語圏文化の影響を強く受けています。第一言語はドイツ語で第二言語がイタリア語であり、道路標識やワインのラベルも両方表記されているのが見受けられます。

北緯46度上に位置し、ちょうどフランスのブルゴーニュの中心部と同じ緯度です。周りを山で囲まれた冷涼なこの地域で、優良なワインが生産されるには、二つ理由があります。

一つ目はぶどうが熟す夏の日の朝に、渓谷の底で温められた空気が斜面にあるぶどう畑を駆け上がることによるものです。暖かい空気は上に上がろうとする性質があり、そのおかげで美味しいワインができる条件の一つである良く熟したぶどうを得ることができます。

二つ目は、山々を照らす明るい日差しがあることです。

アルト・アディジェ地区のぶどう品種

出典:http://www.kellereibozen.com/

主なぶどう品種は次の通りです。白ぶどうは国際品種であるソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネをはじめ、ドイツの影響が感じられるリースリング、ミュラートゥルガウ、ピノグリ、ピノブラン、ゲヴェルツトラミネールが広く栽培されています。

さまざまな標高で栽培されているため、多様な条件化でさまざまなぶどう品種が栽培されていて、いずれも、引き締まった酸、生き生きとしたミネラル感が感じられる、芳醇な香りの透明感がある白ワインの印象があります。

黒ぶどうはピノノワール、カベルネソーヴィニヨン、メルローをはじめとする国際品種に加えて、古くから土着品種が栽培されています。その代表が、軽やかでエレガントに仕上がるスキアーヴァとポテンシャルのあるどっしりとした味に仕上がるラグレインです。

 

トレンティーノ地区

出典:http://www.ferraritrento.it

ドイツ色が強いアルト・アディジェ地区に対し、トレンティーノ地区では隣接するヴェネト州とロンバルディア州のイメージが強くなってきます。近年では、瓶内二次発酵を行う優良なスパークリングワインが造られ、世界的に有名になっています。

シャルドネやカベルネソーヴィニヨンなど輸出を意識した国際品種も多く造られていますが、土着品種も存在感を示しており、野性的な果実味が魅力である黒ぶどうのテロルデゴからは、こだわりを持った生産者から少量ながら評価の高い赤ワインを生み出しています。

軽やかな赤ワインを生み出すマルツェミーノも、モーツァルトの歌劇ドンジョバンニに登場するほど昔から親しまれており、見逃せません。

おわりに

この地域のワインは冒頭でも述べたように、ドイツの影響を強く受けていて、ラベルもドイツの雰囲気を感じるものがあり、ぶどう品種がラベルにハッキリと書かれているので選びやすい印象を受けます。

美しい酸と果実味を持った白、個性豊かな赤、素晴らしいスパークリングワインを生み出すトレンティーノ=アルト・アディジェ州のワインをぜひ一度お試しください。

ワイン業界に携わり12年目を迎えました。「正しい情報を分かりやすく」をモットーにコラムをお届けします。果実味と酸味のバランスのとれたワインが好き。日本ソムリエ協会ワインアドバイザー。

おすすめの記事

1,000円台で味わえる!アウトドアにおすすめなイタリアワインをテイスティングしてみた

イタリアワインが飲み手の心を掴んで離さないのは、飲むたびに新しい発見があるからではないでしょうか。豊かなテロワールと多様なアイデンティティゆえに、フランスワインとは異なる魅力を発揮しています。春夏秋冬を通じて楽しめるイタリアワインですが、今回はこれからのシーズン、特にアウトドアにぴったりなワインを見つけたのでご紹介します!屋外でのワインの楽しみ方にも触れてみたいと思います。

アウトドアでワインをもっと手軽に美味しく。エコで軽量な真空ボトルが大活躍!

キャンプや海などのアウトドアで楽しむお酒は格別ですよね。冷やさなくても美味しく飲めるワインは、アウトドアに是非持っていきたいお酒です! とはいえ、ほとんどのワインボトルはビンなので重く、荷物もかさばってしまいがちです。更には、いざ飲もう!という時に、ソムリエナイフが無くてコルクを開けられなかった……なんて経験はありませんか?「もっと手軽にワインを楽しみたい!」今回はそんな悩みを解決してくれる、割れずに軽量で、洗えば何度でも使える画期的なワイングッズ「真空ハジーボトル」をご紹介したいと思います。

ミディアムボディ、フルボディ、ライトボディはどういう意味?ワイン初心者の悩みを解決!

ワインの世界は、初心者の人からすれば、ウンチクが多く謎だらけという方も多いのではないでしょうか?また、ワインに興味があるけど、恐怖心を抱いて一歩踏み出せない人もいるはずです。 でも、だいじょうぶ。今回はワイン初心者が抱く疑問や悩みの中から、よく耳にする疑問や質問から紐解いていこう。これは定番ともいえる疑問・質問なので、是非覚えておいておこう!

関連コラム

飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されております。 Copyright © 家ワイン All Rights Reseved.