大人の極上スイーツ!貴腐ワインとはどんなワイン?

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はじめに

高貴なる腐敗と書く貴腐。その名の貴腐ワインとは貴腐ブドウから造られる甘口白ワインのことです。

そして世界三大貴腐ワインとは、フランスのソーテルヌ(Sauternes)、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ(Trockenbeerenauslese)、ハンガリーのトカイ・アスー・エッセンシア(Tokaji Aszú Eszencia)ですが、今回はその中のソーテルヌについて、ご紹介したいと思います。

ソーテルヌ(Sauternes)とは

フランス、ボルドー地方のガロンヌ川左岸に位置に、支流のシロン川を挟みソーテルヌとバルサックが広がっていて、長期熟成ができる世界最高の貴腐ワインの産地です。(バルサックはソーテルヌ地区の村の1つでソーテルヌを名乗ることができます) それでは、ソーテルヌ貴腐ワインのエチケットの一例をご紹介します。

上からの文字をみると…

・CHATEAU DOISY-VEDRINS
 これは、ソーテルヌ地区の2級シャトー名(銘柄名)

・2012
 ブドウの収穫年

・GRND CRU CLASSE EN 1855
 1855年にシャトーは2級に格付けされたことを意味しています。

・SAUTERNES
 ソーテルヌ地区

ちなみに1855年は、ナポレオン3世によりソーテルヌ地区の甘口ワインの格付けが行われた年でもあります。

参考にその時に格付けされたシャトーの数は、特1級が1シャトー(シャトー・ディケム)、1級は11シャトー、2級は15シャトーの合計27シャトーです。この格付けは1855年以来今も変わっていません。 また、この1855年はボルドーのメドック地区の格付けもされています。 

貴腐ブドウとは?

貴腐ブドウとは、その名の通り「高貴なる腐敗」のブドウで、見た目は捨ててしまいたくなるようなカビだらけの萎れたブドウです。

皮の薄いブドウ、セミヨンなどの果皮に貴腐菌(ボトリティス・シネレア菌)がつくと、この菌の菌糸が果皮に小さな穴を無数にあけます。その無数の穴から、果実の水分が蒸発し、果汁の中の成分が濃縮されます。この状態を「貴腐果」「貴腐ブドウ」と呼びます。そして、このブドウから黄金色の甘口ワインが造られるのです。

カビだらけのまま収穫され醸造されるので、この菌により様々な物質が造り出されて複雑な風味も生まれるようです。菌とブドウは貴腐ワインを造るには切っても切れない重要な関係と言えると思います。

ソーテルヌでは、どうして貴腐ブドウができるの?

貴腐菌(ボトリティス・シネレア菌)は、黒ブドウにつくと灰色カビ病を引き起こす、非常にやっかいな菌でもありますが、セミヨンなど果皮の薄い品種につけば貴腐ブドウになることができます。ソーテルヌは、この貴腐菌が繁殖しやすい立地なのです。

ブドウが熟した秋に、ガロンヌ川支流のシロン川は水温が低く、暖かいガロンヌ川と合流する地点ではそれぞれの川の水温の違いで朝霧が発生します。この霧がソーテルヌの畑を覆いますが、午後には太陽によって畑は温められ、この気象により貴腐菌が発生しやすくなるとのことです。

おわりに

貴腐ワインは干しブドウ状態のブドウから造るので、例をあげると特1級のシャトー・ディケムでは、1本のブドウの樹からグラス1杯の貴腐ワインしかできないと言われています。とても貴重なワインですね。

ソーテルヌの貴腐ワインは、熟した果実の香りや蜂蜜の風味をもち、味わいは甘さとともに果実味・酸味・苦味もあり複雑な印象のワインです。

フォアグラと相性が良く、ブルーチーズとも抜群!チーズの塩気とワインの甘味のバランスは最高といえます。ぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。

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横浜在住の本職は薬剤師。ある日突然ワインに目覚め、ワインの奥深さに驚き、それから、ワインの勉強には現在進行形です。

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