ウォッシュタイプの人気チーズ「ピエダングロワ」を使ったグラチネ

気分を変えて、特別なチーズを買ってみたいけれど、どう選んだらいいかわからない。プロセスチーズに比べると値段も高いし、買ってみても好みの味ではなかったらどうしよう...。

このような声をよく聞きます。

チーズを選ぶには、まずチーズのタイプを知りましょう。好みの物を見つけやすくなりますよ。日本で定着しているナチュラルチーズの分け方は以下の7つのタイプです。

非熟成(フレッシュタイプ):熟成させていないチーズ 

白カビタイプ:チーズの表面に白カビを繁殖させて熟成させるチーズ

ウォッシュタイプ:チーズの表面を洗って熟成させるチーズ

シェーブルタイプ:原料乳が山羊乳のチーズ

青かびタイプ:チーズの表面に青カビを繁殖して熟成させるチーズ

セミハードタイプ:製造過程で40℃以上に加熱させずに熟成させるチーズ

ハードタイプ:製造過程で40℃以上に加熱して熟成させるチーズ

非熟成のチーズはヨーグルトのようなフレッシュな味わいです。熟成させるチーズは、製法によってそれぞれ特有の風味があり、共通項も多いのでタイプによる違いを意識してみてくださいね。

今回は、ウォッシュタイプのチーズについて詳しくお話しします。最後に、ウォッシュタイプのチーズを使った簡単レシピもご紹介するので、ぜひ作ってみて下さい。

ウオッシュタイプのチーズ

ウォッシュタイプのチーズは、表面を薄い塩水や地酒を含ませた塩水を浸した布で拭いながら熟成させます。表面がしっとり濡れた状態なので、塩分と湿り気を好む「リネンス菌」が繁殖します。

リネンス菌は、なんと納豆菌の仲間。言われてみればウォッシュタイプのチーズって納豆の香りがしませんか?納豆が好きな方はウォッシュタイプのチーズも好みのはずです。

ウォッシュタイプのチーズは、「臭いチーズの代表」といったイメージかもしれません。確かに風味の強い物もありますが、今回ご紹介するフランス、ブルゴーニュ地方の「ピエダングロワ」は、非常に穏やかな風味。ウォッシュタイプの入門として、気軽に試してほしいチーズなんですよ。

ピエダングロワ

種類:ウォッシュ

原産地:フランス・ブルゴーニュ地方

原料乳:牛

形:円盤状

季節:年間

最近はスーパーでも扱っているので、見たことがある方も多いのではないでしょうか?近年はマイルドなウォッシュタイプが人気で、「ピエダングロワ」は特に注目されています。

マイルドでなめらかな口当たり。脂肪分は62%と高く、クリーミーでリッチなチーズです。穏やかな風味は、塩水で洗った生地を真水で洗い直しているため。適度なところで菌の繁殖を抑え、クセの少ない仕上がりにしているわけです。

相性のよいワインはフレッシュでフルーティーな赤ワイン、アルザスやドイツのやや甘口の白ワインがお薦めですね。では、最後に、ピエタングロワと甘い野菜を合わせた簡単レシピをご紹介します。

材料:2人分

安納芋 50g (サツマイモなら何でもOK)

にんじん 30g

ピエダングロワ 50g

白ワイン 大さじ1/2

作り方

【1】安納芋と人参を1センチ角に切り、耐熱容器に入れて700Wのレンジで2分加熱する。

【2】ピエダングロワは適当な大きさに切り耐熱容器に入れ、白ワインをふりかけて700Wのレンジで30秒ほど加熱し溶かす。

【3】グラタン皿に【1】の野菜を2等分して入れ、【2】のチーズソースを回しかけ、オーブントースターで焼き色をつける。

チーズの塩気と野菜の甘みがベストマッチのお料理です。 チーズソースは他の野菜にも合いますので、ゴボウやレンコンなどの根菜類、ホクホクのじゃがいも、キャベツなどの春野菜にも合わせてみてくださいね。

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料理研究家/フードコーディネーター/チーズプロフェッショナル/ワインエキスパート
本郷台駅徒歩3分の自宅にて「パン&料理教室 サロンドファリーヌ」を主催。自家製酵母パン、ドイツパンについても研究を深めている。パン屋さんを巡ることがライフワーク。

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