日本ワインブーム到来!でも日本のワインについてどれだけ知ってる?

出典:https://www.suntory.co.jp/wine/nihon/blog/

近年、日本のワインの品質向上はめざましく、世界的にも評価されつつあるのは皆さんもご存知でしょう。日本ではここ数年、酒類全体の出荷数は減ってきていますが、果実酒の出荷量は増加の一途をたどっています。

新しい生産者も増え、造られるワインも多種多様になってきたことから、消費者が適切に商品選択を行えるよう、今秋には国税庁によって定められた「果実酒等の製法品質表示基準」も施行されます。そこで今回は、改めて日本のワイン産業が今どういう状況なのか、具体的に見ていきたいと思います。

日本ワインと国内製造ワイン

出典:https://www.facebook.com/nihonwineMatsuri/

2015年10月30日、国税局によって「日本ワイン」とは国産ブドウを原料とした果実酒である、という定義が法的に定められました。一方で、原料が国産か海外産であるかに関わらず、日本ワインを含む国内で製造された果実酒及び甘味果実酒は「国内製造ワイン」と呼びます。

1970年代以降、日本は特恵国のバルクワインと濃縮マスト(ブドウジュースのこと)を輸入し、ワインの原料とする動きが進みました。当時はまだ、ワインの味は原料ブドウの品質よりも醸造技術

によって決まるという考え方が強かったこと、また、そもそも高温多湿な日本でシャルドネやメルローといったヨーロッパを原産とするワイン用ブドウの栽培は困難であると考えられていたからです。

しかし、1980年代頃から大手ワイナリーを中心にヨーロッパ系品種のブドウ栽培が本格的に始まり、さらに2000年を過ぎた頃からは、主に個人の生産者がブドウ栽培を重視したワイン造りを行うようになってきたことから、消費者に対して原料の違いなどをわかりやすく表示することを目的として、2015年に基準が定められたのです。

ちなみに、2016年度の「国内製造ワイン」85,794klのうち、「日本ワイン」は16,638klで、全体の約2割(19.4%)となっています。言い換えれば、全体の約8割はいまだ海外原料に依存しているのです。

国内のワイナリー数について

2016年の国税局の調査によると、日本国内にあるワイナリー数は283場となっており、年々増加を続けています。現在のところ、奈良県、佐賀県、徳島県を除く全ての都道府県にワイナリーがあります。

1. 山梨県 81場
2. 北海道 34場
3. 長野県 34場
4. 山形県 14場
5. 新潟県 10場

上位5道県で全体の約6割をしめています。

尚、稼働しているワイナリーのうち80%以上が年間生産量13万本以下の小規模ワイナリーとなっており、小規模ワイナリーのほとんどが日本ワインを造っています。そして、ワイナリーの生産規模が大きくなるにつれて、日本ワイン以外の生産量が増えるという構図です。

日本ワインの生産量について

 2016年の日本ワインの生産量は16,638klで、そのうちの約45%が白ワイン、約43%が赤ワイン、約5%がスパークリングワインとなっています。

また日本ワインの生産量が多い6道県と構成比は以下の通りとなっています。

1. 山梨県 5,510kl(33%)
2. 長野県 3,720kl(22%)
3. 北海道 2,495kl(15%)
4. 山形県 1,200kl(7%)
5. 岩手県 600kl(4%)
6. 新潟県 461kl(3%)

ワイン原料用国産生ブドウの受入方法について

国内ワイナリーの、日本ワインの原料となる国産生ブドウの受入(調達)方法として最も多いのが契約栽培で、ワイナリーの受入総量の約50%を占めています。ワイナリーとブドウ栽培農家が契約をし、互いに協力しあってワインを造るという方法です。

その次に多いのが原料ブドウの購入で約37%。そして、いわゆるフランスのドメーヌ型ワイナリーのように100%自社で栽培したブドウからワインを造っているのは全体の約10%となっています。

尚、残りの2〜3%は受託醸造で、主にブドウ生産者がワイナリーに醸造を委託してワインを造っています。将来的にドメーヌ型ワイナリーの設立を目指す新しい生産者などがこの方法でワインを生産しています。

ワイン原料用国産生ブドウの品種について

ワイン原料用国産生ブドウのワイナリー受入数量上位品種は、以下の通りとなっています。

ブドウ生産量ではなくワイナリー受入数量とするのは、生食用も兼ねている甲州やデラウェアは、同じ畑のブドウが生食用に使われたりワイン用に使われたりするからです。()内はその主要産地。それぞれのブドウ品種を原料とするワインも合わせてご紹介します。

白ワイン用ブドウ

1. 甲州(山梨県) 3,574t
2. ナイアガラ(長野県) 2,812t
3. デラウェア(山形県) 1,473t

 ※数量は全国のワイナリーの受入総量で、()内の主要産地以外で生産されたものも含む。

1位のブドウ生産料・醸造量ともに最多の甲州は、日本在来の生食用兼用品種で、日本人にとっても馴染みの深いブドウです。

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2位のナイアガラは明治時代にアメリカから伝来。香りが強く、中甘口のワインやスパークリングワインの原料として使用されることが多いのが特徴です。

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3位のデラウェアもアメリカから伝来した生食用兼用品種です。生食用としては種無しで栽培されていますが、山形県ではワイン用を想定し、種有りで栽培するケースが増加しています。

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赤ワイン用ブドウ

1. マスカット・ベーリーA(山梨県) 3,152t
2. コンコード(長野県) 1.896t
3. メルロー(長野県) 1,376t

 ※数量は全国のワイナリーの受入総量で、()内の主要産地以外で生産されたものも含む。

1位のマスカット・ベーリーAは、1893年に新潟県に「岩の原葡萄園」を設立した川上善兵衛氏が、1937年に交配した生食用兼用品種です。赤ワイン、ロゼ、スパークリングワインなど、スタイルは多様で渋みは穏やかです。

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2位のコンコードは明治初期にアメリカから伝来した生食用兼用品種です。中甘口の軽快な赤ワインから極甘口のワインまであります。

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3位のメルローは明治初期に日本に苗木が伝わりましたが、本格的な栽培開始は1980年以降です。ヨーロッパ系品種としては日本で最多の生産量。長野県塩尻市の桔梗ヶ原はメルローの産地として有名です。

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まとめ

いかがでしたか?日本のワインの概要が少しお解りいただけましたでしょうか?

日本のワイン造りは明治時代に始まったので、140年ほどの歴史があります。しかし、ブドウの栽培に重きをおいたワイン造りがはじまったのは1980年以降ですから、今まさに日本のワイン産業は発展途上にあると言えます。

前述の通り、新規のブドウ農園の開園が続いているため、現在は全国的な苗木不足という問題も発生してはいますが、今後はより日本の風土を反映した日本らしいワインが生まれるでしょう。そのためにも、まずは日本人である私達が日本ワインをたくさん飲んで、生産者をしっかりと応援していきたいですね。

【参考

国税庁 国内製造ワインの概況(平成28年度調査分)

日本ソムリエ協会 教本2018

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ワインコーディネーター/ワインライター。
フランス留学後、ワイン専門店勤務を経て、ワインコーディネーターに。
飲み頃や旬を大切にワインとチーズの魅力を伝えるサロン「Wine Salon d’Ourse」主宰。飲食店や食のイベントプロデュースの他、ライターとしてワインやチーズに関する情報も発信している。
J.S.A.ソムリエ / C.P.A.チーズプロフェッショナル

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