最高品質の日本ワインを生み出す造り手が今伝えたいこととは?サントリー登美の丘ワイナリー訪問レポート

赤玉ポートワインから始まったサントリーの日本ワインの歴史で、今輝かしい受賞が続いています。昨年の日本ワインコンクールの金賞に続き、2018年5月にはサントリーワインインターナショナル株式会社(株)の「登美赤2013」が、インターナショナル・ワイン・チャレンジ2018(International Wine Challenge)の日本ワイン(赤)部門において、日本初となる金賞に加えて、部門最高賞トロフィーを受賞したのです。

世界に評価される国内最高峰の日本ワインを生み出す造り手が、今伝えたいこととは……。今回は、登美の丘ワイナリーを訪問し、新所長からお話しを伺いました。

サントリー日本ワインを造る人々

山梨県の甲府駅から車で約30分。甲府盆地を見下ろせる「登って美しい場所」に、広大な登美の丘ワイナリーがあります。日本でも有数の日照量に恵まれた土地であり、火山性土壌で水はけが良く、昼夜の寒暖差が激しいという、ワイン造りに最適な条件が整う大規模なワイナリーです。

(総面積150ha/内ブドウ栽培面積25ha)

今年4月から、新たな所長として登美の丘ワイナリーの顔となった庄内氏。長年栽培と醸造・製造の経験を経て、今この登美の丘を背負う第一人者です。

柔らかな物腰で誠実に、まっすぐ人とブドウに寄り添って従事されています。全てが順風満帆というわけでは無かったサントリーワインの歴史があり、常に現状の改善と日本ワインを引率する革新を積み重ねてきたからこそ、今この土地に構える自信が伺えます。

ブドウ栽培担当責任者の和田氏は、若さとパワー溢れる情熱の傍ら、繊細な剪定を大切にされています。剪定のお話をしながら、ブドウをはじめとする果物全般が好き過ぎて、熱く語ってしまう仕事熱心な栽培人です。

ワインは「造り手が変わると味わいが変わる」とよく言われます。ただ、サントリーから生み出される最高の味を守るのは、1人ではなくチームです。栽培から醸造・販売に至るまで、チームで同じベクトルを保ち、日々修正と改善の議論が繰り返されています。

ブドウ品種の更なる品質向上へのチャレンジ

登美の丘で栽培されているワイン用ブドウ品種の中でも、土地柄に合うカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、プティヴェルド、マスカット・ベーリーA、甲州などから高品質のワインが造られています。

6月の赤ワイン用品種の畑は、現在掌よりも小さな花と葉に隠れるように実が付き、暑い夏を今か今かと待ち詫びています。ここ数年で、畑・設備等も品質向上の為に改善がなされ、畑も見直されています。

中でも現在、日本を代表する甲州品種について、改良と試みがなされています。更なる品質向上の為、従来の棚仕立てからヨーロッパ式の垣根仕立てという新たな仕立て方でのチャレンジです。樹勢の強い甲州の勢力を分散させ、バランスを取りながら、株間を広げて工夫されているようです。

ブドウの里が誇る甲州らしさとは何か、どのような味わいのスタイルで、目指す方向性はどのようにすべきか……。

差別化を図るオリジナリティの確立を目指す一方で、日本固有種となる甲州らしさをガラリと変えていくことではなく、甲州らしさを保ちながら、世界を見据えたオリジナリティの価値をどう表現するか、試行錯誤されています。登美赤のような世界に羽ばたける、登美甲州をお目にかかれる日も、そう遠くはないかもしれません。

最近では、スクリューキャップの設備導入も始まりましたが、最後までリサイクル基準を意識し、議論が続いていたようです。自然と調和し持続可能を選び、妥協を許さない商品造りをされる、サントリーらしい考え方が伺えます。

ワインテイスティングアイテム

 ・ジャパンプレミアム甲州 2016

・登美の丘甲州2017

・登美の丘赤2016

・ジャパンプレミアム岩垂原メルロ2013

・登美赤2013

(※1種発売前の赤あり)

甲州は限りなくピュアに、日本の風土に寄り添うように、和柑橘が香る品種の特徴をそのままに残しています。ジャパンプレミアム甲州2016は、シュール・リー製法からくる旨みが、飲み飽きない心地良い味わいです。

サントリー
日本ワイン ジャパンプレミアム 甲州 <新酒 2016> 750ml [日本/白ワイン/辛口/ミディアムボディ/1本]
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登美の丘甲州2017は、初めてタンク熟成100%となったヴィンテージです。はっきりとしたミネラルを感じ、以前のふくよかな味わいから、さらに甲州の個性を前面に感じることができます。

サントリー
【100余年の歴史を持つ日本ぶどう100% の日本ワイン】日本ワイン サントリー 登美の丘ワイナリー 登美の丘 甲州 2017 750ml [日本/白ワイン/辛口/1本]
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今月発売の登美の丘赤2016は、マスカット・ベーリーAが0.3%加わっています。このこだわりのオリジナリティが、香りに洗練さを与えています。

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【100余年の歴史を持つ日本ぶどう100% の日本ワイン】日本ワイン サントリー 登美の丘ワイナリー 登美の丘 赤 2016 750ml [日本/赤ワイン/ミディアムボディ/1本]
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日本ワインコンクール金賞のジャパンプレミアム岩垂原メルロとIWCトロフィーを受賞した、受賞ワインの比較。

2013年は、赤品種にとって素晴らしい年であり、新たな設備投資をして品質向上を掲げた年でもあります。2013年の造り手の決断が、はっきりと今結果として繋がっています。

サントリー
【厳選国産ぶどう100%】日本ワイン サントリー ジャパンプレミアム 岩垂原 メルロ 2013 750ml [日本/赤ワイン/辛口/フルボディ/1本]
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登美赤は黒味を帯び、凝縮し、骨格の強さとシルキーな舌触りに続く余韻。その仕上がりに、日本ワイン全体の可能性をも感じることができます。

サントリー
【100余年の歴史を持つ日本ぶどう100% の日本ワイン】日本ワイン サントリー 登美の丘ワイナリー 登美 赤 [2013] 750ml
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各ワインのヴィンテージによる違いだけではなく、造り手が想いの変化が、味わいにニュアンスを与えています。

「ワインは人の手で造られ、日本ワインはさらに飛躍する」

世界で評価されるワインを造るメーカーが今伝えたいこと。

輝かしい受賞は結果に過ぎません。どの生産者に限らず、現地では毎日の天気に一喜一憂しながら丁寧な手作業で、自然と向き合い共存しながら、一房一房のブドウを造っていることです。1杯の美味しいワインのために、人が仕立て、人が収穫し、人が造り、人が仕上げ、人が届ける。受賞歴や企業規模に関わらず、「ワインは人が造っている」ということです。

日本の土地の要素を吸い上げて造られたワイン。ワインは土地からの唄ならば、そのワインの造り手達が届ける唄が、今の世界で認められるようになっています。

私たちが日本人として日本ワインを知るためには、ワインを造る土地に触れ、実際に品質向上のためにチャレンジし続けている造り手の想いを知ることが第一歩なのかもしれません。その想いと背景を知ること、そして日本ワインを選ぶことが、世界に羽ばたく日本ワインを生み出すことに繋がるのでしょう。

国内最高峰のワインを造る登美の丘ワイナリー。その土地の風を感じ、日本ワインを味わいに、訪れてみてはいかがでしょうか。

登美の丘ワイナリー公式サイトはこちら

登美の丘ワイナリーinstagramはこちら 

インターナショナル・ワイン・チャレンジ2018の結果はこちら

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J.S.A.ワイン検定講師(ワインエキスパート)
【おうちで愉しむワインと食】をテーマに、ワインの豆知識と合わせてちょっとオシャレなおつまみをブログ・ウェブで紹介。 兵庫県宝塚市の自宅でJ.S.A.ワイン検定のお教室を開催中。

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