チーズフォンデュに使用されるチーズとして有名なスイスのチーズ

はじめに

フォンデュ、ラクレット、グラタンととろ〜りとろけたチーズ料理は季節を問わず美味しいですね。

熱を加えることでより一層美味しくなるチーズは色々ありますが、やっぱり熱を加えることで美味しくなるチーズと言えば、スイスのチーズです。今回はチーズフォンデュを作る時に欠かせないスイスのチーズ「エメンタール」と「グリュイエール」について詳しくご紹介致します。

エメンタール(原料乳:牛乳)

生まれはスイスのエメンタール地方のエメンタール谷...今では世界各国で作られています。かの有名な「トムとジェリー」にも登場する穴のあいたチーズのモデルがこのチーズです。

このサクランボ大からくるみ大ほどの丸い穴は『チーズ・アイ』と呼ばれ、エメンタールを作るときに使われる、プロピオン菌酸の働きによるものです。 チーズを塩水に漬けたあと乾燥させ、しばらく高温(19〜24℃)で熟成させている間に、チーズの中のプロピオン菌酸が出す炭酸ガスが閉じ込められることによって作られます。

直径80〜100cm、高さ16〜27cm、重さ75〜120kgとかなり大きなチーズ。

切りたては中がしっとりと濡れていることもあり、『チーズ・アイの涙』とも言われています。そのまま食べると塩味は控えめで、酸味もあります。全体的に淡白な味ですが、加熱することで特有の匂いが広がっていきます。

テーブルチーズとしてそのまま食べてもいいんですが、溶かすとよく伸びて風味が増し、更に美味しくなります。フォンデュに使うのは言うまでもありませんが、実はチーズ全般の料理であれば何でももってこいです。

グリュイエール(原料乳:牛乳)

「エメンタール」と並んでスイスを代表するチーズです。直径55〜65cm、高さ9.5〜12cm、重さ25〜40kgで、「エメンタール」に比べると随分こぶり(といっても他のチーズに比べたら随分大きい!)です。

身は引き締まっていて、熟成するにつれて黄色から琥珀色に変わります。「エメンタール」よりも塩味を強く感じます。ナッツのような香りも特徴。料理に使うと少量でもコクがでます。

フォンデュをはじめ、グラタンやキッシュなどのオーブン料理に幅広く使えます。また、スライスすれば、朝食やおつまみもグッド。ホワイトソースを作らなくても、「グリュイエール」をかけて焼くだけで美味しいグラタンが出来ますよ。

まとめ

現在、これらのチーズはフランスでも作られており、日本のスーパーで見かけるものは、なぜかフランス産が多いようです。ですが、フランスで作られるようになったのが19世紀頃であるのに対して、スイスでは13世紀にはこれらのチーズが存在したと言われています。

「エメンタール」や「グリュエール」のような大きなチーズは、かつては牛乳の産出量が多い時期にあまった牛乳を保存する目的で作られていたもので、それが寒い冬の間、雪に閉ざされた山に住む人々の備えとなっていたのです。

そういうわけで、寒さが厳しくなると私はスイスのチーズが食べたくなります。皆さんも寒い日には、「エメンタール」や「グリュエール」を使って、熱々のチーズ料理を作ってみてはいがでしょうか?

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ワインコーディネーター/ワインライター。
フランス留学後、ワイン専門店勤務を経て、ワインコーディネーターに。
飲み頃や旬を大切にワインとチーズの魅力を伝えるサロン「Wine Salon d’Ourse」主宰。飲食店や食のイベントプロデュースの他、ライターとしてワインやチーズに関する情報も発信している。
J.S.A.ソムリエ / C.P.A.チーズプロフェッショナル

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