和食とワインのある風景を!「Roppo甲州ワインタンブラー」にかける思い

日本を代表するワイン産地のひとつ、山梨県。そんな山梨県で最も多く造られているワインといえば、甲州ワインでしょう。

日本が世界に誇る甲州種ぶどうで造られる甲州ワインは、国内はもちろん世界的にも高く評価されています。先日、そんな甲州ワイン向けに造られた陶製ワインタンブラー「Roppo甲州ワインタンブラー」が発売されました。甲州ワインが持つ個性を引き立てる、甲州ワインのための陶製ワインタンブラー。

今回、Roppo甲州ワインタンブラーの仕掛け人である沼田実さんにお話を伺って来ました。


Q タンブラーをつくろうと思ったキッカケは何ですか?
甲州ワインの持つ魅力といえば滋味溢れる、郷愁を誘う味わい。そして、和食に合う世界に類を見ないワインであるという部分です。

とはいえ、まだまだ「和食とワイン」という組み合わせが日本で浸透してきたいとは言い難い状況です。そこで、昔から和食中心の食生活の中でも自然にワインを飲んできた山梨県の人たちの食文化に、以前から注目していました。

実は山梨県ではワインを湯呑み茶碗で飲む文化があります。日本で最も早い時期にワイン造りを行っていた地域なので、ワインという飲み物がそこまで特別なものでは無かったのかもしれません。


それでも、地元の方々は未だに甲州ワインを飲み続けていますし、湯呑み茶碗で飲む甲州ワインが美味しいと感じたからこそ、湯呑み茶碗には甲州ワインをより一層美味しくできる秘密があると感じたんです。

興味深いのが、山梨県は一人当たりの年間のお寿司の消費量がダントツに多いところ。海が無い山梨県は新鮮な生魚に対して憧れが強く、その生魚をより美味しく食べるために「和食に合うワイン」を本能的に求めて造り続けたのかもしれません。

私はこう思うんです。和食とワインという食文化が根付いている背景には、食卓にガラス製のワイングラスではなく、「和食と甲州ワイン、湯呑み茶碗」という“風景”があったからだ、と。

そこで、私は和食の食卓に甲州ワインが自然にある風景を日本全体で根付かせるための“ワインを飲むための器”が必要であると思って、Roppo甲州ワインタンブラーを企画したんです。


Q Roppo甲州ワインタンブラーの創作に苦労した部分はありましたか?
今回、Roppo甲州ワインタンブラーを創っていただいたのが、山梨市の陶工である田村六鵬(Roppo)さんが主宰する六鵬窯です。

当然、六鵬窯さんとしては私の理想を具現化するのは難しい部分もあったと思います。とはいえ、この企画を持ち込んだ時に構想自体が全くのゼロ状態というわけでは無かったですし、出来上がりまでに想像を絶するような困難さはありませんでしたね。

その後、出来上がったタンブラーのサンプルを数種用意して選考会を行いました。甲州ワインに造詣が深い専門家の方々に甲府市に集まってもらい、さまざまなスタイルの甲州ワインを異なる器でテイスティングしていただきました。

味わいはもちろん、デザイン性などさまざまな側面から各器を選考していただいた結果、今回発売されたデザインが選ばれたというわけです。


Q Roppo甲州ワインタンブラーのデザインの特徴はどこですか?
Roppo甲州ワインタンブラーのデザインの特徴は胴です。ワインのボディをしっかりと活かし豊かに演出するために膨らんだ胴となっています。

口が窄まっていますが、これはアロマと味わいに一体感をもたらす狙いがあります。口に当たる部分が薄くできているので、口当たりの感触もとても良いと思いますよ。また、色もポイントですね。青磁を思わせる美しくナチュラルな表情は、和食の食卓にも合わせやすいのではないでしょうか。

ガラス製ワイングラスの持つ無機質で都会的でスタイリッシュな印象もよいのですが、土の暖かみを感じられる陶製独特の肌質こそ、日本人の心に訴えかけるのではないかな、と思っています。

Q 甲州ワインの専門家からの評判はどうでしょうか?
甲州ワイン専用の陶製タンブラーを完成させた時、私がお話を伺いたかったのが新田正明さんという方です。勝沼ワイナリーマーケット新田商店代表である新田さんは「本当に美味しい甲州ワイン100」という著書も書かれておられる、まさに甲州ワインのエキスパートなので、新田さんにRoppo甲州ワインタンブラーの試作をいち早くお渡しして感想を伺いました。

新田さんは先ずこのタンブラーが「陶製」であることに注目をされていました。日本の食卓に陶製品はすんなりと溶け込むし、熱伝導率が低いのでワインが冷えていても常温でもワインの温度がしばらく変わりません。

また、味わいについては「果実味がおとなしくなり、その下に隠れていた滋味、土っぽさを持つ甲州らしさが出てきます。いろいろな造りのある甲州ワインを、食事のスタートから終りまでこのタンブラーなら通せますよ」と評価していただきました。


Q Roppo甲州ワインタンブラーの楽しみ方を教えてください
Roppo甲州ワインタンブラーの楽しみ方は、和の食卓に合わせていただくというところに尽きます。とはいえ、それぞれ新しい使い方を摸索していただけるのであれば、より甲州ワインの楽しみが広がると思います。

このタンブラーはテイスティング用ではなくあくまで「食事とワインを楽しむ」ために造られています。その部分を外すことなくお使いいただければ、きっとワインにある食卓が今以上に楽しくなると思いますよ。

ちなみに、他のワインではダメなのか?という疑問も出てくると思います。タンブラーの構造上、甲州ワインに特化してはいるのですが、マスカットベーリーAやブラッククイーン、ヤマブドウなど日本固有品種のワインも味わいに甲州同様の効果が得られます。

Q Roppo甲州ワインタンブラーを通じて伝えたいことは?
私がRoppo甲州ワインタンブラーを通じて一番に伝えたいのは「日本独特のワイン文化」を根付かせる、ということです。

先にもお話しましたが、和食は日本人の大切な文化のひとつです。そこにワインを合わせるには、その食卓に相応しい器が必要なんです。日本の土で造られた和食器、日本の食材で造られる和食、日本のぶどうで造られるワイン。そこにRoppo甲州ワインタンブラーがあることで、日本独自の食風景が完成します。

海外のワイン文化は素晴らしいものですが、日本には他国には無い独自のワイン文化があるぞ、という部分を持っておかないと、世界中のワイン文化の中で埋没してしまうと思っています。鋭敏な美的感覚と味覚を持つ日本人だからこそ、ワインのある食卓の風景から考え直していきたいですね。

ありがとうございました。

商品名:Roppo 甲州ワインタンブラー
小売価格:¥3,500(税別)
URL:www.koshutumbler.com

山梨県生まれの東京暮らし。フリーライター。音楽、ラジオ、ファッション、グルメなどさまざまなフィールドで活動中。甲州ワインに日常的に触れていたことで、知らぬ間にワイン通に…。ワインのちょっとした知識を小出しに紹介していきます。

おすすめの記事

もうワイン選びで失敗しない!良いワインショップ選びのポイントとは?

家でワインを楽しむワイン好きな皆さんは、いつもどこで購入していますか?ワインは重いのでネット通販を利用される方も多いでしょう。しかし、ワイン初心者にとってネット上でワインを選ぶのはなかなかハードルが高いかもしれません。そもそも、実店舗でも通販サイトでも、どのショップで買い物をしたらよいのかということから悩んでしまいます。 そこで今日は、ワイン選びで失敗しないためにも、良いワインショップを見分けるポイントをお伝えしたいと思います。

イタリアワインの格付け「DOCGとDOC」の違いとは?

イタリアワインのラベルやキャップシールに「DOCG」「DOC」という文言を見たことがありますか?この言葉はいったい何を意味しているのでしょうか。 今回はイタリアワインの格付け「DOCG」、「DOC」についてご紹介いたします。 ヨーロッパのワインには品質分類がある イタリアを含む、フランス、ドイツなどのヨーロッパ諸国にはワインを品質で分類したヒエラルキーがあり、どの国も大枠は同じようなものになっています。 簡単にいうと、上の分類になればなるほど、厳しい法律が定められていて格が高くなる、またその見返りとして土地の名前を名乗ることが認められているというものです。フランスの最上級の等級はAOC(Appellation d'Origine Contrôlée)と呼ばれており、それと同じ位置づけにあるイタリアの等級がDOCG(Denominazione di Origine Controllata e Garantita)なのです。

ワイングラスでの乾杯で、音を立てるのはマナー違反?

ビールジョッキでは豪勢を音を立てても良いけれど、ワイングラスで乾杯するときは決してグラス同士をぶつけてはいけない──日本では、それがマナーとして認識されています。 しかしながら、創業250年の歴史を誇る老舗ワインブランド・リーデルは、2011年に「乾杯でグラスをぶつけるのはルール違反ではない」と正式に表明しています。 ただし、繊細な縁同士をぶつけては割れてしまう可能性があるため、正式な乾杯方法は傾けたワイングラスの腹同士をぶつけるのだそうです。 リーデル家10代目当主であるマキシミリアン・リーデル氏も「ワインは色や香り、味わいだけでなく、音も含めて五感で楽しんでくださいね」(参考ページより引用)と発言しており、正しい乾杯方法や奏でられる音色も動画にて確認することができますよ。

関連コラム

飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されております。 Copyright © 家ワイン All Rights Reseved.