上質なシャンパンと同じ製法で造られる様々なスパークリングワイン

今年もお花見の季節が到来し、桜前線が徐々に北上しつつありますよね。そろそろ週末はお花見に出かけないと、なんてウキウキした気分で過ごされている方も多いのではないでしょうか。

桜は日本の国花ですから、枡でいただく日本酒に花びらがひらりと落ちて……という風流ある雅な楽しみ方を堪能するのがお似合いではありますが、あえて今年はスパークリングワインで爽やかに楽しんでみるというのはいかがでしょうか?

スパークリングワインというと真っ先にシャンパンを連想される方が多いですよね。お花見でたくさん飲みたいときにそれはもったいない!と思ってしまい、結局はお花見で飲むお酒の候補から外されてしまうなんてことも。

シャンパンはフランスのシャンパーンニュ地方で瓶内二次発酵の手順を踏んで丁寧につくられたスパークリングワインを指しますが、つくる手間がかかることとその産地のブドウが非常に上質であること、そして法律で最低熟成期間が15ヶ月と決められていることからどうしても値段がお高くなってしまいます。

そこで、シャンパンと同じ製法でつくられているスパークリングワインなら、味も泡の舌触りや喉越しも近しいものが楽しめ、さらにお値段もお手軽であるためにお勧めです。

カバ(スペイン)

出典:http://www.vindulge.com/

シャンパンと同じ製法でつくられているスパークリングワインの中でも、ワイン愛好家が推しているのが、スペインの地中海地方でつくられているスパークリングワインのカバです。

多くのソムリエなど、ワインのプロが「特別な日にはシャンパンだけど、デイリーで飲む場合はカバ」と挙げていることで、特に最近ブームになってきているようです。

シャルドネやピノ・ノワール、ピノ・ムニエの繊細芳醇な味わいに比べて、カバに使われている品種はマカベオ、チャレッロ、パレリャーダというシャンパンには使われない品種が使われており、個人的にはシャンパンよりも暖かい果実味や花の香りを強く楽しめるように感じます。

スペインはフランスよりも南に位置していることから、暖かくなってきたこの季節にこそ桜を見上げながら飲むとより美味しく感じるのではないでしょうか。

クレマン(フランス)

出典:https://www.nakedwines.com/

「やっぱりワインはフランス産のものが飲みたい!」という人には、フランスのクレマンをお勧めします。クレマンとはフランスでシャンパーンニュ地方以外で瓶内二次発酵でつくられたスパークリングワインのことを指します。

「クレマン・ド・~」という名前でフランス各地で造られており、中でもお花見にはロワール地方のクレマン・ド・ロワールがお勧めです。シャンパンには使用されないシュナン・ブランという品種が使用されていて、アプリコットやグレープフルーツのニュアンスがあるものが多く、柔らかく優しい味わいを楽しむことができます。

普段は甘口のワインしか飲まない、ワインがちょっと苦手だという人にこそぜひお試しいただきたいスパークリングワインです。

キャップ・クラシック(南アフリカ)

出典:http://www.la-motte.com/

歴史的な影響で国際市場に登場したのが90年代以降という南アフリカのワインの中でも、メトード・キャップ・クラシックという瓶内二次発酵でつくられる高級スパークリングワインは近年とても注目を浴びています。

南アフリカと言えばカベルネ・ソーヴィニヨンが多く造られているため、カベルネ・ソーヴィニヨンの味を思い浮かべる人も多いかと思います。しかし、南アフリカ産のカベルネ・ソーヴィニヨンは、フランス産やアメリカ産のものとは「熱烈にパワフルなアタックがある」という点で大きく異なります。

また、シャルドネやピノ・ノワールといったシャンパン地方と同じ品種を使ってつくられていますが“華麗”というよりは“絢爛”な味わいがあり、それこそ満開な桜の木の下で飲むにはぴったりではないでしょうか。

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お酒と書籍をこよなく愛すワイン好きなライターです。ワインの魅力にとりつかれ、知識を深め、ワインエキスパートの資格を取得。「ワイン=敷居が高い」という既成概念を壊していきつつ、一緒にワインの楽しさを探っていきましょう。

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