カルシウム、たんぱく質、そしてビタミンAやBを豊富に含むチーズは大変バランスの良い栄養食品です。しかし、脂肪分も多く高カロリーな食品であるのも事実。脂肪分が多いという理由から、なんとなく食べるのを控えている人もいるかもしれませんが、まずはチーズの成分、特に脂肪含量を正確に知ることから始めてみてはいかがでしょうか?
チーズの成分
チーズの主な成分は水分とタンパク質、そして脂肪です。これらの成分のおよその割合は、チーズのタイプ別に違います。
・フレッシュタイプチーズ(カッテージチーズ等) → 水分75%、タンパク質13%、脂肪12%
・ソフトタイプチーズ(カマンベール等) → 水分50%、タンパク質25%、脂肪25%
・ハードタイプチーズ(ゴーダチーズ等) → 水分40%、タンパク質30%、脂肪30%
つまり、見た目で最も脂肪分が多そうなソフトタイプチーズより、ハードタイプのチーズの方が脂肪分は多いのです。
ヨーロッパのチーズの表示について
ヨーロッパのチーズメーカーが製造しているホールのチーズには、たいてい脂肪含量の表示があります。表示方法には2種類あります。
【1】「チーズの固形分重量」中に占める「脂肪重量」の割合を%で表示 例)50% Matière Grasse / Extrait Sec (フランス語)略:50% MG/ES
【2】「チーズ全重量」中に占める「脂肪重量」の割合を%で表示 例)25% Matière Grasse / Poids Total (フランス語)略:25% MG/PT
最近は、【2】の表示方法が多いようです。【2】のほうがわかりやすく、見た目の脂肪数値も低いので消費者に受け入られやすいということです。 【1】はつまり、チーズ全量から水分を引いた、固形分のうち脂肪がしめる割合ということです。チーズを購入する際にはこれらの表示を是非チェックしてみて下さい。
クリームを添加して作られる高脂肪チーズ
チーズを製造する過程でクリームを添加し、脂肪分を高めて作られているチーズがあります。MG/ES 60%以上をダブルクリーム、MG/ES 75%以上をトリプルクリームと言い、スーパーで見かけるSaint-Andre(サンタンドレ)やPie d’Angloys(ピエダングロワ)が有名です。
これらのチーズはクリーミィーでなめらか、口当たりもやさしく、ついつい食べ過ぎてしまうので注意が必要です。
まとめ
脂肪の接種に敏感な現代の消費者にとって、チーズ中の脂質含量はとても気になります。ならば、チーズを食べる時は野菜中心の食事にする等、一緒に食べる料理に少し気を使ってみてはいかがでしょうか? チーズもワインも食べ過ぎ飲み過ぎは禁物。「食事とのバランス」と「適量」を心がければ問題はないと思います。