築地で外国人の方を対象とした料理教室の講師をする際、お寿司や天ぷら、煮物など、家庭でも作れる和食を紹介しています。その際、「日本の料理は、素材の味を活かしていて見た目も綺麗で味も奥深い」という感想をいただき、あらためて和食の素晴らしさを知ることができます。
和食と相性の良いお酒といえば、日本酒かもしれませんが、昨今では日本ワインと一緒に楽しむのが人気です。いまや日本を代表するワインといえば、山梨県特産の甲州種ブドウで造られた「甲州ワイン」。優しい爽やかな香りに心地よい酸味が、四季折々の旬の素材を活かした和食に寄り添います。 お刺身、焼き魚、天ぷら、お寿司、鍋料理と、「甲州ワイン」は様々な和食と楽しむことができます。
そこで、今回は「甲州ワイン」に合わせた簡単レシピ「鶏肉の甘味噌麹焼き」をご紹介します。また、この料理は仕上げに使用する調味料を変えるだけで、マスカット・ベーリーAのワインにも合わせることもできる優れモノです。ぜひ作ってみて下さい。
材料:作りやすい分量
鶏胸肉 1枚
塩 小さじ1/2
長芋 100g程
A 白味噌 40g
A 塩麹 20g
A ハチミツ 15g
A みりん 小さじ1
ごま油 少々
作り方
【1】鶏胸肉は皮を取り、塩を全体にまぶし15分程置く。長芋は皮をむき、縦半分に切る。
【2】Aの材料を全て合わせて、厚手のビニール袋2枚に2/3と1/3の割合で分ける。
【3】2/3の方は鶏胸肉を、1/3の方は長芋を入れる。できるだけ空気を抜いたら、それぞれ全体に絡むように口をしっかりと閉じて、冷蔵庫で一晩置く。
【4】鶏胸肉をビニール袋から出し、クッキングシートを敷いたオーブン皿にのせ、上面に薄くごま油をぬり、予熱なし140℃で40分焼く。そのまま冷ます。
【5】鶏胸肉とビニール袋から取り出した長芋をそれぞれ2~3mmに切って盛り付ける。
甲州に合わせる場合
すだち柚子こしょうタレを上からかけて下さい。
すだち柚子こしょうタレの作り方
すだちを絞った汁 小さじ1 みりん 小さじ1 柚子こしょう 小さじ1/3 全ての材料を混ぜる。
マスカット・ベーリーAロゼに合わせる場合
七味唐辛子を全体にふって下さい。(ロゼではなく、赤ワインのマスカット・ベーリーAの場合は、山椒粉をふってください)
合わせるワイン
サントリージャパンプレミアム 甲州
タイプ:白ワイン(辛口)
原産国:日本、山梨県中心
品種:甲州
柑橘系(和柑橘)や白桃などの果実の優しい香りが特徴で、フレッシュで爽やかな果実の風味が口いっぱいに広がります。控えめな味わいが素材の味を活かした和食に合います。お寿司、お刺身、塩でいただく天ぷら、冷奴、酢の物、鍋料理との相性が抜群です。
サントリージャパンプレミアム マスカット・ベーリーA ロゼ
タイプ:ロゼワイン(やや甘口)
原産国:日本、山梨県中心
品種:マスカット・ベーリーA
ベリー系の甘い香りに、口に含むと優しい甘味が広がります。フレッシュな味わいで、後味にはほのかな酸味も感じるので、非常に飲み心地の良いワインです。また、冷やして美味しいので、夏にピッタリの1本です。
肉じゃが、筑前煮、揚げ出し豆腐、天つゆでいただく天ぷら、焼き鳥(タレ)、鶏の照り焼き、煮魚、茄子の味噌炒め、コロッケ等にも合わせられます。また、サクラワインアワード2016では、ベスト国産ワイン賞、ベストワイン賞焼鳥部門、ダブルゴールドと3部門で受賞しました。
今回はロゼで合わせましたが、赤ワインのタイプもあります。
まとめ
鶏肉の甘味噌麹焼きは、一晩甘味噌麹に漬けて塩分を鶏肉の中にしみこませます。塩麹でお肉を柔らかくし、低温で調理することで鶏肉が固くなりません。 また、味噌も焦げず、風味もよくなり、しっとり仕上がります。簡単ですが、全ての工程に意味があり奥深い料理となっています。
柑橘系(和柑橘)の酸味のある甲州には、すだちが架け橋になり、柚子こしょうでアクセントをつけました。塩糀の優しい塩味、味噌の甘味と鶏ハムのようなしっとりした味わいに、サクサクした山芋の食感が甲州のさっぱりした柑橘系(和柑橘)の酸味に寄り添ってくれます。
ほのかな甘みと酸味の調和したマスカット・ベーリーA ロゼには、その甘さを引き立てる七味唐辛子の辛みと風味をつけました。塩糀のコク、味噌の焼いた時の香ばしい風味と甘味が、ベリー系の甘みと酸味に調和して、お互いを引き立ててくれます。
鶏肉の甘味噌麹焼きは冷蔵庫で2~3日保存できるので、1日目は甲州、2日目はマスカット・ベーリーAロゼで楽しむこともできます。香りも味も方向性が全く違うワインですが、1つの料理で楽しめるのは嬉しいですよね。甲州とマスカット・ベーリーAロゼのミラクルマリアージュをぜひ体験してみて下さい。