バター不足が取り沙汰されている昨今、スーパーのバター売り場では、在庫が乏しい国内大手メーカーのバターにかわって、輸入バターや、ちょっと高級感のあるパッケージの発酵バターを見かけるようになりました。
実は、ヨーロッパでバターと言えば、ほとんどがこの発酵バターです。海外のワイン誌では度々この発酵バターが取り上げられます 日本で長年市販されてきた非発酵バターに比べると、発酵バターは多少割高ではありますが、風味には格段の違いがあります。今日はその発酵バターの魅力をご紹介したいと思います。
発酵バターとは
そもそもバターとは、生乳中の乳脂肪分を集め(=クリーム)、固めたものです。発酵バターは、原料となるクリームを乳酸菌で発酵させて作られたバターで、ほのかな酸味と独特の風味や香り、コクがあります。
非発酵バターに比べ発酵バターはヨーグルトに近い酸味があり、風味やコクも普通のものと比べると差があります。クセのない非発酵バターに比べて、なめらかで濃厚な旨みのある発酵バターは、焼きたてのトーストやバゲットにたっぷり塗って食べるのがおすすめです。
発酵バターの使い方
料理に使う場合は、「仕上げ」に使いとよいでしょう。 例えば器によそったスープに少量落としたり、焼き上がったステーキにのせたり、魚のホイル焼きのトッピングに、といった使い方がよいと思います。コクが出て味が決まるのと、バターの芳醇な香りが広がり、食欲もそそられるからです。 尚、発酵バターの保存方法は非発酵バターと同じですが、豊かな風味は空気にふれると次第に飛んでしまうので、できるだけ早めに食べきることをお勧めします。
フランス産の発酵バター
最近は輸入食材店や通販で、フランス産の発酵バターも手軽に購入できます。国産の発酵バターに比べて、フランス産のものは塩分も風味も強いのが特徴です。
カマンベールのようなソフトタイプのチーズにもひけをとらないほど、発酵バターをぬった田舎パンはワインともよく合います。ワインのお供に召し上がる時も使用します。脂肪分が高いので、個人的には赤ワインと合わせるのが好きですが、どんなタイプのワインと合わせても良いでしょう。
まとめ
最後に、発酵バターを最も贅沢に、美味しくいただく方法をご紹介します。それは、炒め物や焼き物の調理の最後で、発酵バターをさっと溶かし、醤油をたらしてバター醤油味にすることです。
「発酵バター×醤油」という二つの旨味調味料の組み合わせは、それはもう驚くほど美味しいので、是非一度お試し下さい!