チーズを買う時、皆さんはどうやって選びますか?チーズ専門店でアドバイスして頂きながら購入できるのであれば良いのですが、ほとんどがPOPの説明を読み、自分でチーズの外観を吟味して決めることが多いのではないでしょうか。チーズの個性を知る上で重要な香りは、個包装されているとわかりません。
そこで、今回はチーズの外観で状態や熟成具合を見極めるポイントを、タイプ別にお伝えしたいと思います。
フレッシュタイプ
フレッシュなミルクの旨みを堪能するには、とにかく新鮮なものを選ぶ事が大事なので、雪のように真っ白いチーズが良いでしょう。賞味期限も必ず確認して、製造日の新しいものを選んで下さい。
白カビタイプ
若いうちはクセもなく食べやすいものが多いのですが、熟成するとウォッシュタイプチーズ顔負けの強烈な風味になるものもあります。フランスの本家本元「カマンベール・ド・ノルマンディー」もその一つです。
まず、美しい白カビが均一についているものを選びましょう。カビの色が多少茶褐色になっており、ホールの中央がくぼんでいると熟成が進んでいる証拠です。カットチーズの場合は、カビの内側を見て、真ん中に芯があると若い状態です。
青カビタイプ
カット販売されていることがほとんどなので、切り口に艶があって、しっとりとしているものが良いでしょう。しかし、チーズから水分が出てラップの内側が湿っているものは避けて下さい。
青カビが密集しているものほどピリリとシャープな味で塩気も強いです。また青カビの入り方が均一なものは熟成具合が良いと言えます。
ハード・セミハードタイプ
例えばフランスのコンテやイタリアのパルミジャーノ・レッジャーノは、「12ヶ月」、「24ヶ月」等と熟成期間を明記して販売されていることがあります。熟成期間が長いほど色合いも濃くなり、旨みが増します。外側のワックスとの間に黒いカビがあったり、乾燥によりひび割れているもの、くすんだ色あいのものは良くありません。
シェーブルタイプ
一口にシェーブルタイプと言っても、山羊乳で作られたチーズには白カビ、青カビ、フレッシュ等様々なタイプがあります。いずれも若いうちは、山羊乳独特の酸味とクセがありますが、熟成が進むにつれ酸味もおだやかになりコクが出ます。
フレッシュなシェーブルチーズは表面がしっとりとしていてキメが細かく、熟成が進むと表面が乾燥してゴツゴツとしてきます。さらにその乾燥した表面に青いカビが発生しているチーズを時折見かけますが、それは上手く熟成している証拠です。見つけたら是非チャレンジしてみて下さい(青いカビは取り除いてから食べて下さい)。尚、表面に灰がまぶしてあるシェーブルチーズもありますが、灰自体は無味無臭なので全て食べることができます。
ウォッシュタイプ
外観の個性と味わいがほぼ一致します。つまり、表面につやがあり、べたついているものは風味が強く、表面が少し乾いた感じで弾力があるものはソフトで比較的食べやすいです。とはいえ、ウォッシュタイプのチーズは全体的に個性が強いので、できれば専門店で相談しながら購入した方が良いでしょう。
おわりに
ナチュラルチーズは、たとえ同じタイプで外観が似ているチーズでも、風味が随分異なることがよくあります。そのため、初めて食べるチーズは、まずは状態の若いものを選び、味見をしながら家庭の冷蔵庫で好みの具合まで熟成させてみると良いでしょう。
美味しいチーズに出会えた時の喜びはひとしおです。是非、いろんなチーズに挑戦してみて下さい。