北緯と南緯のそれぞれ30度から50度はワインベルトと呼ばれており、ワインの原料として使われるブドウが栽培しやすいと言われています。現在ではその地域を中心に世界中でブドウが栽培されており、ワインもあちこちの国からリリースされています。
そんな中、近年メキシコ産のワインも注目されつつあります。先日、ブラインド・テイスティングしたら1,000円を切っているとは思えないほど美味しいスパークリングワイン「サラ・ビベ ブリュット」を見つけたのでご紹介したいと思います。
メキシコは意外なブドウ産地である
メキシコはアメリカの南、北緯30度前後に位置しています。メキシコと言えばテキーラのイメージが非常に強く、その銘醸地ですが、アメリカ・カリフォルニア州に隣接するバハ・カリフォルニア半島では多くのブドウが栽培されておりワイン銘醸地となっています。
なぜなら、スペインの移民がこの土地でブドウ栽培を始め、北上していきカリフォルニアにその文化を伝え行ったという歴史があるのです。また、メキシコでは、年越しにブドウを12粒食べるという習慣があります。実はこれもスペインの習慣で、スペインの移民から伝えられたと言われています。
土地は地中海性気候で雨量が少なく乾燥しており、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラー、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネなどのヨーロッパ品種が盛んに栽培されており、エレガントなワインを生み出すそうです。
サラ・ビベ ブリュット
今回ご紹介したい「サラ・ビベ ブリュット」はバハ・カリフォルニア半島よりもメインランドにあるメキシコシティから約160kmのところに位置するケレタロ州でつくられているスパークリングワインです。海抜2,000mという高標高がブドウの栽培地で、すっきりとした酸味だけでなく泡と共に溶けるまろやかさに驚かされます。
実はスペインでカバをつくっていた会社である大手カバ生産者「ペドロ・フェラー・ボッシュ」が手がけています。瓶内二次発酵で18ヶ月以上も熟成させているにも関わらず、お値段は何と800円弱。ちなみにカバは最低9カ月、シャンパンは最低15ヶ月、熟成させなければいけません。また、収穫にはブドウを傷つけないよう全て手摘みで行うほどのこだわりよう。
品種はカバの主要品種として使われているマカベオ、独特の甘味や果実味が特徴的なシュナン・ブラン、そしてシャンパンにも使われるピノ・ノワールが使用されています。
コルクを抜いた瞬間に広がったのはマカベオの特徴的で、すっきりとした果実味です。続いて感じられたのはコンフィのリンゴのような甘味。花、パインなどのニュアンスもあり温暖地で造られたワインの特徴を感じました。
しかし、すっきりとした酸味と細かくクリーミーな泡も併せて感じることができ、決してそれが雑味とはならず丁寧な味の広がりを演出してくれます。喉を通った後は短いながらもアフターにカラメルの風味を楽しむことができました。
まとめ
コストパフォーマンスの高さを求めて2,000円までのスパークリングワインをたくさん飲み比べていますが、ロバート・パーカーが87点をつけたことでも納得の美味しさから、「コスパ高」のワインを探している人にはうってつけではないでしょうか?
ぜひ一度お試しくださいね。
<参考> mono特別編集『安くて旨い!ワイン図鑑』ワールドフォトプレス ワイン王国2013年No.75『スパークリング 世界一周100本!』ワイン王国刊