チーズの食べ過ぎは危険?チーズのタイプ別にみる塩分の量

古今東西、酒のつまみは塩辛いものが定番ですが、ワインの最高の友であるチーズも塩辛いものが多いですね。ナチュラルチーズの大半は乳と塩のみで造られているので、塩加減で最終的にチーズの味が決まると言っても過言ではありません。では、チーズを造る過程でどのように加塩されるのでしょうか?

そして、私たちの口に入るチーズには、どの程度の塩分が含まれているのでしょうか?今回はちょっと気になるチーズの塩分についてお話したいと思います。

加塩の目的と方法

チーズ造りは、まず乳を凝固させ、固形分(カード)と水分(ホエイ)に分離させるところから始まります。ホエイと分離され、成形された出来立てのカードには、原料乳の栄養がたっぷり含まれており非常に雑菌が繁殖しやすい状態なので、まずは腐敗を防ぐために加塩します。それと同時に、加塩することによって乳酸菌やカビ、酵母などのチーズに有用な微生物にとって好ましい環境を作り出しています。

加塩の方法は、成形されたカードの表面に塩を振りかけたり刷り込んだりする方法と、塩水につける方法があります。前者は白カビタイプやウォッシュタイプのチーズ、後者はパルミジャーノ・レッジアーノ等、大型のハードタイプのチーズを製造する時に用いられる加塩方法です。

チーズのタイプ別塩分量

皆さんも食べてお分かりかと思いますが、カッテージチーズやモッツアレラなど、熟成行程のないフレッシュタイプのチーズは塩分が低く、ロックフォールなどのブルーチーズはとりわけ塩分が高くなっています。

なぜなら、ピリリとした刺激のあるブルーチーズの旨味を引き出すにはある程度の塩分が必要だからです。また、ハードタイプのチーズは熟成期間が長いほどチーズの水分が蒸発するのでより塩辛くなります。

【タイプ別塩分量:100gあたり】

フレッシュ(カッテージ) 1.0g

クリームチーズ 0.7g

白カビ(カマンベール) 1.3g

青カビ(ブルー) 3.8g

ハード(ゴーダ) 2.0g

パルメザン粉 3.8g

プロセス 3.2g

「ちょっと塩辛いな…」と思ったら

塩分が高くクセの強いブルーチーズは、無塩バターを少し混ぜると、ブルーチーズ独特の風味は残しつつも、味わいがマイルドになり食べやすくなります。

ハードタイプの塩辛いチーズをそのまま食べるなら、ダイスカットではなく、薄くスライスすると口当たりが優しく塩辛さが気になりません。また、料理の仕上げに塩を振る代わりにチーズをすりおろせば、塩味だけでなく旨味も増すのでおすすめです。

まとめ

生活習慣病が気になる方にとって、塩分の取り過ぎは禁物です。一日の塩分摂取量は成人男性で1日9g未満、成人女性では7.5g未満と言われているので、ワインとチーズを楽しむ日の食事は、少し塩分を控えめにすると良いかもしれませんね。

例えば、塩分の高いチーズを料理に使用すれば、調味料の分量は減らすことができます。チーズは高タンパクでカルシウムも豊富な大変栄養化の高い食品でもありますから、食べ過ぎにだけは注意して、毎日の食生活にバランス良く取り入れていただきたいと思います。

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参考文献:『チーズの教本2016』 著者/NPO法人チーズプロフェッショナル協会

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ワインコーディネーター/ワインライター。
フランス留学後、ワイン専門店勤務を経て、ワインコーディネーターに。
飲み頃や旬を大切にワインとチーズの魅力を伝えるサロン「Wine Salon d’Ourse」主宰。飲食店や食のイベントプロデュースの他、ライターとしてワインやチーズに関する情報も発信している。
J.S.A.ソムリエ / C.P.A.チーズプロフェッショナル

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