料理とワインのマリアージュは「魚に白ワイン、肉に赤ワイン」と言われますが、時折、セオリーほど単純ではないと感じることもあるでしょう。例えば鮮魚。ワインと同時にいただくと、不快な「生臭み」を感じることがあります。鮮魚そのものの臭みが増大してしまうケースや、一緒に口にしたときに発生する化学変化のような生臭み。まさに逆マリアージュ現象ですね。
そんな時は、オリーブオイルの助けを借りましょう。合わせる素材とワインの味を引き立たせ、生臭みをスッとマスキングしてくれます。ちょっとしたマジックみたい。味付けはいつもの醤油でも美味しくいただけますが、粗塩と粗挽きコショウにすると更にワインコンシャスな一皿になります。
オリーブオイルは香り高い「エキストラバージン」を選んでください。かける量も躊躇せず、贅沢に思いっきりかけるほうがワインとの相性も良くなります。ワインの酸味が鮮魚の味わいを引き締め、お刺身にレモンを搾るような感覚。口の中で一体になり、初めて料理が完成するイメージです。
材料:2人分
お好みのお刺身(または柵) お好きな量
ケッパー 10g
ディル 2枝
粗塩、粗挽き黒コショウ 少々
オリーブオイル お好きな量
作り方
【1】 お好きな鮮魚を用意します。今回はブリのお刺身と、生食用マグロの柵をチョイス。サーモン、鯛、イカ、ホタテ、タコなど自由に組み合わせてください。
【2】 柵は食べやすい大きさにスライスします。
野菜類は押し切りをしますが、柔らかい物を切る時は逆。包丁を斜め45度の角度に置き、根本から刃先までをスライドさせるように。ゆっくり手前に引きながら、一気に切ります。ギコギコ押し引きしたり、力を入れて切ろうとすると、細胞が潰れて食感が悪くなってしまいます。
【3】 ディルは堅い茎の部分をのぞき、柔らかい葉だけを摘んで使います。写真奥が通常のディル、左が茎、右が葉。ケッパーは汁気をきっておきます。刻んだオリーブを加えてもいいですね。
【4】 【1】・【2】を器に並べ、全体に粗塩・粗挽き黒コショウをふります。【3】を散らし、仕上げにオリーブオイルをたっぷりかけて出来上がり。
気軽にワインを楽しむためには、簡単な虎の巻があった方がいいですね。「お国料理にお国ワイン」は、ワイン初心者にオススメの豆知識。ワインは農産物。同じ風土の中で生まれたもの同士は、自然とピタリと合ってくれます。
シチリア風鮮魚の盛り合わせに、爽やかでスッキリしたシチリア白ワイン。写真や映像をながめながら、まるでシチリアのテーブルにいるような幸せ感を楽しむのもいいですね。