インドで造られたワインってどんなもの?

今やワインは世界中で造られていますが、インドでも北部から南部まで幅広い地域で盛んに造られているってご存知ですか?

インドは高温多湿でワイン造りに向いてないと思われがちですが、寒暖の差が激しい高地が多いことから1990年代頃からワインが造られるようになりました。
意外にワイン造りに適しており、世界のワイン銘醸地と似た気候だと評される地域もあるほどです。北部のヒマカル、中西部のナシーク、サンガリ、南部のベンガルでインドのワイナリーが点在しており、近年盛んにワインが造られるようになりました。

 今回ご紹介する「スラ・ヴィンヤーズ ブリュット」はインド最大のワイン生産地である中西部のナシークで造られているスパークリングワインです。スタンフォード大学卒業後、シリコンバレーで働いていたラジーヴ・サマント氏が故郷に戻って1997年に創設しました。

インド中西部のナシークは、海抜610mという標高の高い土地にあるためにアメリカのワイン銘醸地であるカリフォルニアと気候が似ていてワイン造りに適していると言われています。この土地ではシュナン・ブラン、ソーヴィニヨン・ブラン、ジンファンデル、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラーといった品種が有機栽培されている他、醸造、熟成も万全の管理で行われているそうです。

瓶内で二次発酵を行うトラディショナル方式で造られた「スラ・ヴィンヤーズ ブリュット」はシャンパンと同じく15ヶ月以上の熟成を経ていて、非常にクリーミーな泡を楽しむことができます。また、ヴィンテージの表示はありませんが、同じ年に収穫されたブドウから造られているため、その年ごとの味をしっかりと感じることができます。

主要品種はサルタナが60%。そこにシュナン・ブランが40%ブレンドされています。サルタナはアメリカではトンプソン・シードレス、イギリスではレディ・デ・カヴァリーと呼ばれ親しまれている白ブドウです。アメリカではレーズンの原料となることが多いようです。

瓶内の気圧が高く、勢いよく抜栓すると直ぐ様スパイシーで果実味豊かな香りが鼻をくすぐります。口に含むと最初に感じるのは白い花のニュアンスやリンゴ、オレンジなどの柑橘系の心地よい苦味です。そこから少しずつ温度を上げていくと、塩味や独特なスパイスを感じるようになります。
インドと言えばスパイスを使ったお料理のイメージが強いですが、まさにそれに合わせるのにぴったりなスパークリングワインです。
実際、チーズにオールスパイス(シナモン、クローブ、ナツメグの香りを持つスパイス)をつけてワインといただいたところ、ベストマッチ。やはりその国を代表するお料理にマリアージュするのはさすがです。

フランスのワイン愛好家たちが必読の筆頭に挙げる雑誌『ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス』でも高い評価されており、「世界に通用するアジア最高のワイン」としても愛され続けています。

そして、スラ・ヴィンヤーズの15周年記念には、鮮やかなペイズリーのボトルが華やかなピノ・ノワールを主体とした「スラ・ヴィンヤーズ ブリュット・トロピカル」が造られました。シラーズ、シュナン・ブラン、シャルドネがブレンドされ、親しみやすいワインに仕上がっています。

インドのワインをまだ飲んだことがないという人は、はっとするスパイシーな味わいをぜひ一度お楽しみくださいね。

<参考>
http://www.izumitrading.co.jp/winery/india/sula/sula01.html

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お酒と書籍をこよなく愛すワイン好きなライターです。ワインの魅力にとりつかれ、知識を深め、ワインエキスパートの資格を取得。「ワイン=敷居が高い」という既成概念を壊していきつつ、一緒にワインの楽しさを探っていきましょう。

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