イタリアワインのラベルやキャップシールに「DOCG」「DOC」という文言を見たことがありますか?この言葉はいったい何を意味しているのでしょうか。
今回はイタリアワインの格付け「DOCG」、「DOC」についてご紹介いたします。
ヨーロッパのワインには品質分類がある
イタリアを含む、フランス、ドイツなどのヨーロッパ諸国にはワインを品質で分類したヒエラルキーがあり、どの国も大枠は同じようなものになっています。
簡単にいうと、上の分類になればなるほど、厳しい法律が定められていて格が高くなる、またその見返りとして土地の名前を名乗ることが認められているというものです。フランスの最上級の等級はAOC(Appellation d'Origine Contrôlée)と呼ばれており、それと同じ位置づけにあるイタリアの等級がDOCG(Denominazione di Origine Controllata e Garantita)なのです。
またDOC(Denominazione di Origine Controllata)はそのひとつ下位に値するものですが、DOCG同様に土地の名前を名乗ることが認められています。
2009年以降フランスワインの格付けについては、シンプルに3カテゴリーに分類されるようになりました。AOPは特定の産地で生産される上級なワインを指し、地域や品種などが細かく定められています。
ワイン名のルール
DOCG/DOC名前の付け方は主にふた通りあります。
① 土地の名前そのもの (例:Barolo、Barbaresco)
② 品種 di 土地 (例:Barbera d’Asti、Barbera d’Alba )
DOCからDOCGへ
現在DOCは約330個、DOCGは74個あります。DOCからDOCGへ昇格することもあるので、毎年その見直しが行われています。
よく「あなたがソムリエ試験を受けたときDOCGはいくつありましたか」なんて会話が交わされるのもこのためです。ちなみに筆者が受験した2004年は26個。ですから約10年間で3倍近くの数になった計算になります。
DOCGにもマイナーなものがある
さて74個のDOCGリストを眺めてみると、中には誰もが知っているビックネームから、日本に未輸入で聞いたことものないようなマイナーなワインまで様々です。
昔はソムリエ試験でDOCGは全暗記が必須と言われていましたが、最近では有名なものだけ覚えるというのが一般的な受験テクニックになっているのもそのためです。それでは、なぜこのようなマイナーDOCGが誕生していったのでしょうか。
まず、背景にはイタリアのお国柄があげられるでしょう。芸術や食べることには血道をあげて楽しみますが、政治や法律があまり得意ではない…。このことは、スキャンダルの王ベルルスコーニ氏が人気を集め9年間も首相を務めたことからも垣間見ることができます。残念ながら、DOCからDOCGへ昇格したもの中には「品質」の評価ではなく、「政治的」事情で昇格が認められたものも一部あるのです。
DOCGの悲劇
この現状に不満をもったのが消費者と生産者です。特に1970年代にはトスカーナ州のキアンティの造り手たちは失望しました。そこで、キアンティDOCGを放棄し、品質分類の一番下の等級Vino(当時はVino da Tableと呼ばれていた)で自由にワインを造る生産者が次々と誕生したのです。
彼らのワイン造りの特徴は、フランス系のブドウ品種を巧みに使うことです。品質に重きをおいたワイン造りも功を奏で、あっという間にキアンティDOCGよりもVinoの等級で造られたこれらのワインのほうが高い人気を誇るという逆転現象が巻き起こされたのです。これが「スーパー・ヴィノ・ダ・ターヴォラ」の誕生です。
この動きは型にはまるのを嫌うトスカーナの生産者の間で盛んにおきたので、「スーパー・トスカーナ」とも呼ばれています。
どうやってイタリアワインを選ぶ?
このように、せっかく法律をつくったにも関わらず、どこかずっこけているのがイタリア流で、現在でもヒエラルキーが逆転してしまっているDOCGも見かけたりすることがあります。ですから、イタリアワインを選ぶときにはある程度有名なDOCGを覚えたら、あとは良質ワインを造る生産者を軸にワインを選んでいくのがおススメなのです。
参考:まずは押さえておきたい有名DOCG
Baloro(Piemonte)赤 Nebbiolo
Barbaresco(Piemonte)赤 Nebbiolo
Brunello di Montalucitno(Toscana)赤 Brunello