リースリングはドイツを代表する白ワインです。「ドイツワインは甘い」という印象を広める一端を担ってしまったリースリングですが、実際は単に甘ったるいだけのお酒ではありません。繊細で爽やかさな甘み、まろやかでしっとりした甘みなど、奥行きのあるバラエティに富んだ甘口から、さらに酸味の効いたフレッシュな辛口まで、多彩な味を楽しめるのがリースリングなんです。
今やオーストラリアや南アフリカ、アメリカなど数々の国で作られているリースリング。その発祥地については諸説あるものの、有力視されているのはドイツのライン川流域で、現在も世界で出荷されるリースリングワインの約6割はドイツ産だそう。ライン川やモーゼル川の産地を中心に約2万3千ヘクタールのリースリング畑で栽培が行われ、ドイツ産のワイン品種において生産量1位の座を誇っています。
リースリングは大変アロマティックなワインです。アプリコットやピーチ、アップル、シトラス系のフルーティーでフローラル、時にハチミツのような香りや味わいが特徴で、ものによっては石油のような香りもします。
石油の臭いのするお酒!?なんてちょっと驚きですが、比較的若いうちに飲まれるものが多いリースリングの中で、数年から数十年まで寝かせられた成熟した質の良いものに現れる石油香は肯定的などころか、高い評価にもつながっているんです。
さて、リースリングと一緒に味わいたい食事と言えば、甘口と相性が良いとされるのはスパイシーなタイやインド、中国などのアジア料理でしょうか。辛口だったらシーフードや鶏料理など、さらに和食のお寿司にもぴったりです。食後には、リースリングから作られるデザートワインを。冬季に気温が零下7度以下になるのを待って摘み取るブドウから作られる、甘みがギュッと詰まった濃厚なアイスワインは有名ですが、他にも超過完熟した実を手摘みして作られるベーレンアウスレーゼ、世界三大貴腐ワインの1つでドイツの最高級ワイン、トロッケンベーレンアウスレーゼなどもあります。
以上、ほんのわずかながら、ドイツリースリングの魅力をご紹介しました。みなさんも機会があったら、美味しくて香しいこの白ワインをぜひご堪能ください。