福山大が開発したバラ酵母のワインをワンナリーのセラアグリパークが発売!

 

出典:福山大学ワインプロジェクト
ワイナリーを運営するセラアグリパークは7月より福山大学が開発したワインを発売する。同大生物工学科がバラの花から抽出した酵母を使い、備後地区のブドウから醸造したのが特徴であり、開発支援した福山商工会議所などは福山市のシンボルであるバラのイメージを利用して地元産のブドウによるワインを特産品に育てたいとしている。

福山大学が開発したワインが市販化されるのは初めてです。販売する赤ワイン「さんぞうの赤」のブランド名は福山大の所在地「三蔵」にちなんであり、720ミリリットル入りで店頭想定価格は税別1600円。ブドウは広島県世羅町で栽培された品種「マスカット・べーリーA」を使用されており、この品種は備後地区では生食向け主体に生産されているが、ワイン用として国際登録されている。

出典:福山大学ワインプロジェクト

福山大は生物工学科2年生の専門科目の実習でワインを造っています。市販に向けさんぞうの赤は開発に協力した広島県世羅町の第三セクター、セラアグリパークのワイン醸造部門「せらワイナリー」に酵母を提供し、醸造を委託、同ワイナリーでは7月中旬から600~700本を問屋を通じて福山市内の酒販店やレストランで販売する予定です。商品化にあたっては、2015年に福山商工会議所が中心となり、日本商工会議所の補助金を使って「ばらの酵母菌で瀬戸内・福山の六次産業を醸すプロジェクト推進委員会」(委員長=小川智弘同会議所専務理事)が結成され、福山大や福山市、せらワイナリーなどが参加し、2年間市場調査や広報活動などの支援をしてきました。福山市のワイン生産者は福山大を除き2社程度だが、昨年は同市など6市1町が「備後ワイン・リキュール特区」に認定され、参入は増える見通しです。


出典:福山大学ワインプロジェクト
商品化を指導した福山大の山本覚教授は「プロジェクトの受け皿となる組織をつくり、生産者と連携して『福山ワイン』の認知を高めたい」としている。「大学発」のワインが市販されたケースでは香川大学がワイン生産者と共同開発した製品などがあるが、中国地方では初めてです。

福山大学生命工学部生物工学科 

出典:福山大学ワインプロジェクト

1986年に誕生した日本におけるバイオテクノロジー専門学科の草分けの一つ。2014年に果実酒試験製造免許を取得し、15年から授業にワイン造りを取り入れている。農家から畑を借りて学生がブドウ栽培をするほか、校内でワインを醸造している。

福山大学ワインプロジェクトサイト

編集部のコメント

大学の研究というのは世間ですぐに活用されるには時間がかかるイメージですが、今回のバラ酵母によるワインが商品化され、多くの方に飲んでもらうことになるのは素晴らしいですね。

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