今回は中近東各地を年に何度も訪問し、自身でオリエンタルワインを輸入する田村公祐さんにお話を伺いました。
Q.田村さんの中近東と出会いなどを教えてください。
トルコ最果ての地でチグリス川を背景に(トルコ、ジズレ)
幼少期より、世界の文化に関心があり、地図や図鑑を眺めるのが好きでした。同居の祖父が欧米に傾倒していたこともあり、世界にはたくさんの国がある中、情報が欧米中心である点に疑問を持ち、やがて発展途上国により興味を持つようになりました。
斜面に沿って広がる街並み(トルコ、マルディン)
中近東のワインとの出会いは7年前です。愛用していた「アレッポの石鹸」に興味を持ってシリアを訪れた際、たまたま手にしたレバノンの「Massaya」というワインに感銘を受けたのが最初です。それ以来、その土地の文化とワインをより深く知るため、中近東の各地を頻繁に訪れるようになりました。
Q.実際に輸入されている中近東ワインの魅力は何ですか?
アルメニア使徒教会のハフパット修道院(アルメニア、アラヴェルディ)
ミトラ信仰の痕跡を残す神殿(アルメニア、ガルニ神殿)
世界最古の醸造所跡が発見された洞窟(アルメニア、アレニ)
アルメニアワインの輸入から着手しているのですが、アルメニアは、トルコの東、イランの北西にある内陸の小国で、キリスト教を世界で初めて国教に定めた国と言われています。
私自身がもともとキリスト教の少数派に興味があり、日本でほとんど流通していないこと、近年に世界最古で6100年前の醸造所跡が発見されたこと、色々な理由が重なりました。将来的には近隣諸国からの輸入も考えていて、レバノンワインの準備を進めています。
Q.伝えたいワインはありますか?
その中で、特にご紹介したいのは「アルマス・アレニ」です。
アルメニアのワインは、6100年前の醸造所跡の近くを原産とする、太古から存在するアレニという土着品種を使った赤ワインです。
渋みは少なくフルーティで、サワーチェリーのような風味が特徴なのですが、上品な造りながらどこか原始的で、古代を思い起こさせる趣があります。「アルメニアと言えばアレニ」というくらい、象徴的な品種です。
その他にも、バラのような香りのブドウを使った赤ワイン「アルマス・カルムラヒュット」や、特産のザクロから造ったワイン「アルメニア・ポメグラネート」も、アルメニアならではと言えそうです。
【アルメニアワインが購入できるWeb Page】
公式サイト:http://ancient-w.com/
facebook:http://facebook.com/ancient.w/
【その他 田村さんのワインが手に入るマルシェなどの情報】
6/16(金) 丸の内行幸マルシェ
6/17(土) 交通会館マルシェ
6/18(日) 交通会館マルシェ
6/21(水) 豊洲マルシェ
6/22(木) 大手町マルシェ
6/23(金) 丸の内行幸マルシェ
6/24(土) 交通会館マルシェ
6/25(日) 交通会館マルシェ
編集部のコメント
アルメニアの土着品種アレニのワインは太古の赤ワインを彷彿とさせながらも伝統と進化によってとても上品なワインに仕上がっています。ザクロの甘みがたっぷりな「アルメニア・ポメグラネート」もデザートワインに私も愛用しています。
また、田村さんが実際に店頭に立つマルシェに伺うと、アルメニアワインの瓶やエチケットのデザインについての詳細や、様々な現地の様子のお話もしてくださって中近東ワインの深い背景にさらに魅了されますよ。