花を加えて一緒に発酵?!リンゴの旨味が凝縮された個性的なイタリア産シードル

リンゴを原料として造られる醸造酒、シードル。ワインより口当たりが軽く、味わいもフルーティで飲みやすいと、最近は日本でも人気です。

もともとシードルと言えば、カマンベールチーズの産地として有名な、フランスのノルマンディー地方産や、そば粉のガレットと相性の良いブルターニュ地方産が有名です。

けれども今回はイタリア産のシードル、それもリンゴ果汁にサンブーカ(ニワトコ=エルダーフラワー)の花を加えて一緒に発酵させた、大変めずらしいシードルを紹介したいと思います。

Sidro ai Fiori di Sambuco

スィドロ・アイ・フィオーリ・ディ・サンブーコ
生産者:Egger Franz(エッゲル・フランツ)
産地:イタリア北部 トレンティーノ=アルト・アディジェ州
原料:リンゴ(トッパス、ゴルドラッシュ)、サンブーカの花
アルコール度数:6%

生産者について

もともと、イタリア北部で生産されるリンゴは主に生食用もしくはジュースとしての需要が大半で、現地でシードルはあまり造られていないそうです。

生産者のエッゲル・フランツは、果樹では非常に難しいとされる無農薬、無肥料でリンゴを栽培、醸造過程ではフィルターの使用をやめ、オリ引きの回数を減らし、オリによって原酒が守られる状態を維持することで、酸化防止剤を添加しない瓶内2次醗酵のシードルを造り出しました。

オリとともに保管することで、「原酒自体が守られる=酸化に対して抵抗を持つ」 という考えによるものです。(※輸入元エヴィーノ生産者資料より)

テイスティングノート

早速試飲してみると、芳醇なりんごの香りがグラスいっぱいに広がります。芳ばしいイーストの香りとサンブーカの甘い香りも少し感じますが、第一印象はしっかりとしたリンゴの香りです。

また、外観は澱のせいで濁りはありますが、細かい気泡が連続してグラスの底から立ち上がり、まるでシャンパーニュのようです。

口に含むと、生のリンゴにかぶりついた時のような、瑞々しくはじけるリンゴのジュースと、柔らかくクリーミーな泡が舌の上に流れます。ゆっくりと飲み込むと、溌剌とした酸味と思いの外しっかりとしたドライな味わいに喉の奥が刺激され、ゴクゴクと続けて飲んでしまいたい衝動にかられました。とにかく、シードルを飲んでここまでリンゴ本来の旨味を感じたことはありません。

アルコール度数が6%と低めなので、旨味はたっぷりありますが飲み口は軽く、スルスルと飲めてしまいます。お酒があまり強くない方にはとてもオススメです。また、この愛らしいエチケットは女性へのプレゼントにも最適です。

最後に

エッゲル・フランツは、シンプルにリンゴだけで造ったシードルはもちろん、 リンゴと一緒に収穫されるリンゴと同じ畑で育ったカリンを加えたものも造っています。

いずれも辛口でリンゴの旨味が凝縮された個性豊かなシードルです。まだ実験段階中の生産とのことで、なかなか手に入り辛いかもしれませんが、見つけたら是非お試しいただきたい逸品です。

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ワインコーディネーター/ワインライター。
フランス留学後、ワイン専門店勤務を経て、ワインコーディネーターに。
飲み頃や旬を大切にワインとチーズの魅力を伝えるサロン「Wine Salon d’Ourse」主宰。飲食店や食のイベントプロデュースの他、ライターとしてワインやチーズに関する情報も発信している。
J.S.A.ソムリエ / C.P.A.チーズプロフェッショナル

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