スペインを訪れると、どんな小さな街でも、どんな小さな路地でも、ちょっと歩けば必ず見つかる「バル」。朝早くから深夜まで店を開け、サンドイッチなどの軽食からタパス(お酒のつまみ)、コーヒーやデザートまで、安価で提供してくれます。
たいていのバルで食べられる定番タパスの一つ、厚焼きオムレツ「トルティージャ」は、ジャガイモ、タマネギ、卵、材料は3つだけ。フライパンの形に丸く焼くのは共通ですが、こだわりはそれぞれ。焼き方、焼き色、オリーブオイルの使い方、プラスする具材・・・バルの数だけトルティージャがあると言われるほどです。
使うのは、インスタやSNSで大人気のミニスキレット。直径は15cmほど。雑貨店やスーパーで、300~500円程度で手に入ります。中途半端にも感じられるこのサイズ感、実は厚焼きオムレツを作るのにピッタリなのです。その上、鉄製で熱周りがいいので強火で短時間焼きすれば、日本人の大好きなふわとろに仕上げられる優れもの!まさに一石二鳥です。
材料:2人分(直径15mのスキレット1台分)
ジャガイモ 1~2個(約200g)
タマネギ 1/2~1個(約100g)
卵 3個
オリーブオイル 大さじ2
塩 小さじ1/2
作り方
【1】タマネギ・ジャガイモは薄いイチョウ切りにし、オリーブオイル大さじ1をボウルで合わせます。オイルは火の通りを均一にしてくれるほか、野菜の旨みと水分を閉じ込める役割もあります。最初にオイルになじませておくと、少量のオイルでもムラなく仕上がります。
【2】スキレットへ【1】を入れて、中火で加熱。蓋をして、時々混ぜながら15~20分ほど蒸し焼きにします。
【3】ジャガイモを木ベラで押すと、すっと潰れる程度まで柔らかくします。多少焦げてしまっても気にしなくてOK。ここでしっかり甘みを引き出すのが一番のポイントです。
【4】ボウルに卵を溶いて【3】と塩を混ぜます。オリーブオイル大さじ1を加え、中火で熱したスキレットに流し入れます。卵は中央よりフライパンの淵から火が通ってきます。内側と外側を入れ替えるように軽くスクランブルし、表面を整えて1分待ちます。
【5】お皿を使って表裏を返し、中火で更に1分焼きます。粗熱をとり、放射状にカットして完成です。
最後に
トルティージャは卵料理ですが、本当の主役はジャガイモとタマネギ。具も作り方もとってもシンプルですが、しっかりと炒め、甘みと香ばしさを引き出しておくと感動的な美味しさになります。
果実味とバランスのよい酸、飲みごたえ軽やかな赤ワインと一緒に、休日のブランチにいかがでしょう。サンドイッチにしてピクニックに持ち出すなら、コンビニの缶ワインも雰囲気バッチリです。