仕込みシーズン到来!日本ワインの老舗、タケダワイナリーを見学してきました

秋も深まり、日本各地のワイナリーでは、ブドウの収穫とワインの仕込みが始まりました。ワイン生産者にとって一年で最も忙しい季節の到来です。私達ワイン愛好家にとっては、この時期にワイナリーを訪れ、手入れの行きとどいた美しいブドウ畑を眺め、ワインが造られる過程をわずかな時間でも垣間見ることができるのは、何よりの楽しみです。

そういう訳で今年は、蔵王連峰の麓にあるタケダワイナリーを訪問してきましたのでご紹介致します。

タケダワイナリー

 

タケダワイナリーは、山形県上山市にある1920年創業の老舗のワイナリーで、かみのやま温泉郷よりほど遠くない南向きの高台に位置しています。

現在生産されているワインは、自社農園のブドウから造られるドメイヌ・タケダシリーズと、山形県産のブドウを使ったタケダワイナリーシリーズの2種があります。

ドメイヌ・タケダのワインは樹齢70年を超える国産品種「マスカット・ベリーA」や欧州品種のブドウから造られるワイン等、タケダワイナリーシリーズは比較的手頃の価格帯の「蔵王スター」やサン・スフル(=無添加)の発泡性ワイン等があります。

自然農法で栽培されるブドウ

タケダワイナリーは開園当初から「良いワインは良いブドウから」をモットーにしたブドウ栽培とワイン醸造を続けており、現在は除草剤も化学肥料も使用しない自然農法でブドウを育てています。

※日当りのよい高台に位置する自社畑は東京ドーム2.5個分の広さで、一日中陽があたる。


※除草剤を使用していないせいか下草が生い茂ったブドウ畑。ブドウはしっかりと実っています!

また、収穫や選果も全て手作業で行っています。今の時期は従業員の他に地元のお手伝いの方も加わって、早朝から皆で作業をされるそうです。大切に育てられたブドウは、さらに手間隙かけて選別され、やがてワインへと生まれ変わるのです。

※デラウエアの選果作業

地下熟成庫は山形の冬でも暖かい

地下の熟成庫も見学させていただきました。庫内の気温は年間を通して15〜18℃、湿度は70〜80%に保たれています。もちろん、空調管理されているのではなく、自然の熟成庫です。山形の豪雪地帯にあって、真冬でも庫内が15〜18℃に保たれているのには驚きました。

 


※壁面の黒いカビは、ワインの熟成に最適な湿度が保たれている証拠。

有核ブドウと無核ブドウ

訪問した日はちょうどデラウエアの仕込みの最中だったのですが、興味深いお話をうかがいました。

近年、デラウエアは有核(種有り)のブドウを使用しているそうです。種に含まれる成分が、ワインの風味に多いに影響し味に深みを与えるからという理由によるものですが、ワインを少しでも勉強した人なら誰しも知っていることではないでしょうか。

しかし、東北で生食用のブドウとして長年栽培されてきたデラウエアは、消費者の好む無核(種無し)ブドウです。それも、栽培農家はかなりの労力をかけてわざわざブドウを無核にする作業(開花前後のブドウを容器に入れたホルモン剤にひとつひとつ浸す)を行っているのです。

ですから、タケダワイナリーでは高齢化したブドウの契約農家さんと協力しながら、有核ブドウの栽培に取り組んでいるそうです。

このことからも、まだまだ日本のワインは過渡期にあり、タケダワイナリーのような優れたワイン生産者の存在が今の日本のワイン界において非常に重要であることを再認識しました。

おわりに

見学の後、ワイナリーのショップで試飲させていだたいたワインは、言葉にできないほど美味しく感じました。産地を訪れることで知り得る土地の個性や生産者の思い、それら全てがワインの魅力になると確信しました。

皆さんも秋の行楽にワイナリーを訪れてみてはいかがでしょうか?ブドウ畑を見ながら飲むワインは最高ですよ。

※参考資料:TAKEDA WINERY通信 vol.60

タケダワイナリー
住所:山形県上山市四ツ谷二丁目6-1
営業日:
4月1日~11月30日/平日・土日・祝日 見学可 (但し、8月13日〜16日は夏季休業)
12月1日〜3月31日/平日のみ見学可(但し、12月29日〜1月4日は年末年始休業)
見学受付時間:10:00~11:30/13:00~17:00 
見学所要時間:約30分
見学料:無料(事前にご予約くださいませ。)
ご購入はこちら:http://www.takeda-wine.jp/

公式サイトはこちら

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ワインコーディネーター。大学では仏文学を学び、渡仏。帰国後は都内屈指のワイン専門店に十数年勤務。現在は主にワインに関連するイベントや飲食店等のプロデュースを行う。JSA公認ワインアドバイザー。

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