ハモンセラーノとイベリコの違いは?スペイン生ハムの選び方

ハモンセラーノは、世界三大ハムの1つ、スペインの食卓に欠かせない生ハムです。

豚の腿(もも)を1カ月ほど塩漬けした後、塩を洗い流し、なんと半年~数年もの時間をかけて乾燥熟成させます。長い時間をかけて、ゆっくり溶けた脂が赤身に染み込んで作られるきめ細かな霜降りは、柔らかな生ハムとは違い、噛みしめるほどに滲み出す熟成した旨み、ほどよい塩味と、日本の文化にはない深い味わいです。

「ハモンセラーノ」と「ハモンイベリコ」の違いは?

ハモンセラーノとは「山のハム」という意味で、伝統的にはスペインの山岳地帯で作られていました。

現在ハモンセラーノと言えば、生産効率のよい白豚で作った生ハムをさします。比較的安価で繊細なピンク色、さっぱりとした味わいと柔らかな食感が特徴です。

対するハモンイベリコは、イベリア半島在来種の黒豚で作った生ハムです。品格を感じさせる圧倒的な風味と、単一ではない複雑な味わいが特徴です。白豚に比べ肥育期間が長く、価格もハモンセラーノの4~5倍ほどで、スペインで作られる生ハム全体の1割程度と希少価値の高い生ハムです。

「イベリコ」にもランク付けがある!

そんなハモンイベリコにも、与える飼料や飼育方法により、いくつかのランク付けがされています。

最も評価が高いのは「ハモン・イベリコ・デ・ベジョータ」。オレイン酸たっぷりのドングリ(ベジョータ)を食べて、放牧されながら成長したイベリコ豚です。

濃く深い赤身、よく見ると、熟成の証であるアミノ酸の小さな白い結晶が見えます。出来上がるまでに2~3年かかる為、スペインで作られる生ハムのわずか2%ほどです。とても貴重な存在なので当然価格も高くなりますが、一度味わうと忘れられなくなるインパクトがあります。

美味しく食べるポイントは?

日本ではハムは冷たい状態で食べる習慣がありますが、ハモンは脂の溶けやすい常温にしていただくのが正解。30分前には冷蔵庫から出して、温度を上げてからいただきましょう。口の温度で脂がゆっくり溶け出し、ふわりと広がるエレガントな香り、複雑で広がりのある余韻が長く続きます。

熟成感のしっかりしたスペイン産ハモンは、基本的には赤ワインが一番。熟成期間の長さとワインの重量感は、比例すると思ってよいでしょう。熟成の短い若いハモンセラーノには、CAVAを合わせるのもいいですね。

贅沢すぎる!生ハム原木で家バル

ここ数年のスペインバル人気と流通業の進化により、生ハムの原木を自宅でも購入できる時代がやってまいりました。スライス販売は幅広くとれる「マサ」が一般的ですが、生ハム原木なら濃厚な「コディージョ(膝の周辺)」や「プンタ(先端)」まで楽しめます。更に骨周りの固いハモンを煮込み料理に使ったり、最後に残った骨でとるダシは原木を制覇した者だけが味わえるご馳走です。

初めての挑戦なら、高温多湿を避けられる今の季節がベスト。常温で保存できるので、テーブルに出しっぱなしで数カ月かけてゆっくり楽します。パレタセラーノ(前足)なら、小ぶりで安価なので挑戦しやすいでしょう。

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埼玉県熊谷市出身。両親在住のスペインにてスペイン料理を学ぶ。専門はスペイン料理、ワインにあわせたマリアージュ提案。著書「フライパンひとつで作る絶品パエリア」「5分でできた!」シリーズ全7冊「2ステップレシピ」他。

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