和食にワインを合わせるのが定番になりつつある昨今。時代の変化とともに、この10年で日本のワインは大きな変化を遂げました。日本産のブドウを100%使用し、日本国内で製造されたワイン。今、「日本ワイン」がワイン愛好家の熱い視線を集めています。
日本ワインの特長は、綺麗な酸、冷涼で透明感のある味わい、上品で繊細な口当たりなどが挙げられます。和柑を感じさせる爽やかな白ワインは、レモンやすだちを絞る天ぷらや焼き魚などと好相性です。刺身とワインは臭みを増幅させることの多い組み合わせですが、日本ワインは相性が良いとされています。特に、日本固有品種の「甲州」を使用した白ワインは、生臭みの原因となる鉄分が少なく、ご存じ「おいしんぼ」では、生の魚に合わせられる唯一のワインと紹介されました。
今回ご紹介するのは、日本ワイン(白)の和柑橘を合わせた1品。材料3つだけのお手軽さが嬉しい。お安い鶏むね肉を、しっとり柔らかに仕上げるポイントもおさらいします。ワインの酸とクリーミーなお料理、協調する柚子のニュアンスがよく合います。
材料:2人分
鶏むね肉 1枚(200~250g)
クリームチーズ 50g
柚子こしょう 小さじ1/2
塩 少々
かいわれ 適宜
作り方
【1】今回の料理では皮の旨みは邪魔になってしまうので、そっとひいて取り除きます。鶏むね肉を柔らかに仕上げるのは、カットのしかたがポイント。中央(オレンジの線)を境に、左右の繊維が逆方向に流れています。この繊維を断つ方向(グリーンの線)に、包丁を斜めに入れてそぐようにカットします。
【2】左右逆方向にカットした状態です。1カットが大きすぎるな?と思う物は更に半分にカットします。この時のカットの方向は気にしなくてOKです。
【3】鍋に湯をわかし、沸騰しているところへ【2】を加えます。再び沸騰してから2分ほど茹で、ザルにとって水気をしっかりきります。鶏肉の臭みが気になる場合は、ここで茹で湯に調理酒や白ワインを50ccほど加えておくと、風味よく仕上がります。
【4】クリームチーズは室温にして練り、柚子こしょうを混ぜます。【3】を混ぜて塩で調味。器に盛り、お好みでかいわれを添えて出来上がり。
最後に
日本ワインの味わいは繊細です。料理も上品な仕上がりを目指しましょう。鶏もも肉より淡泊な胸肉、彩はシソや小ネギよりかいわれを使用すると、繊細な日本ワインとうまく寄り添ってくれます。