国際コンクールで金賞受賞! アトリエ・ド・フロマージュのチーズ職人、児島悠造さんに「ココン」の魅力を聞きました

2年に一度フランスで開催されているモンディアル・デュ・フロマージュ(※)の国際チーズコンクールで、長野県東御市にあるアトリエ・ド・フロマージュのチーズ「ココン」が金賞を受賞しました。前回の同コンクールでもアトリエ・ド・フロマージュはブルーチーズで最高金賞を受賞しており、連続の受賞は快挙です。

豊かな自然に囲まれたアトリエ・ド・フロマージュの工房で、高品質なチーズはいったいどのように作られているのでしょうか?同社のチーズ職人である児島さんに、その秘密とチーズ作りにかける想いをうかがいました。

※ モンディアル・デュ・フロマージュ(Mondial du fromage)とは、 M.O.F(フランス最優秀職人)の称号をもつチーズ熟成士のロドルフ・ル・ムニエ氏の提案でトゥール市が主催する世界的なチーズコンクール。

早速ですが、「ココン」の一番の魅力は何でしょうか?

技術的なことになりますが、「ココン」はクリーム分を極力逃がさずチーズの中にとどめ、なめらかな舌ざわりにするということに注力して作ったチーズです。そのために、原料乳はホルスタイン牛、ジャージー牛、ブラウンスイス牛の3種のミルクをブレンドしたり、乳脂肪分がホエイと一緒に排出されないようカードカットを行わない等、一般的なナチュラルチーズ造りで行われる行程と異なる作り方をしています。

また、「ココン」は主に乳酸菌を使ってミルクを固める酸凝固タイプのチーズなのですが、一般的にシェーブルチーズに代表される酸凝固タイプのチーズは食感がボロボロしているものが多いですよね。でも、「ココン」の外皮はきめ細かい布のようにしっとりとしていて、中身はとろけるほどクリーミーな食感です。熟成とともに、その食感も少しずつ変化していくので、是非お好みの熟成具合を見つけて楽しんでいただきたいです。

今、アトリエ・ド・フロマージュのチーズは大人気ですね。

2015年にブルーチーズがモンディアル・デュ・フロマージュで賞をいただいたのをきっかけに、少しずつ当社のチーズが認知されるようになったと思います。そして、今年はココンが金賞を受賞、とても光栄です。

私達はフランスのチーズのような本格的なチーズ作りを目指していますが、日本人の嗜好にも合うよう旨味をしっかり引き出しつつ、クセや特有の臭いを抑える工夫をしながらチーズ作りをしています。ですから、本格的なナチュラルチーズを食べ慣れない方にも食べやすいと思います。

また、ここ東御市にある本店の周りには緑豊かな庭が広がり、ショップとカフェ、外側から見学のできるチーズ工房、そして隣には当社が経営するイタリアンレストランがあります。ここへ来ていただけたら、見て、食べて、買い物をして、チーズを存分にお楽しみいただけます。是非、多くの方に訪れていただきたいと思います。

それでは、続いて児島さんご自身について質問です。

児島さんはなぜチーズ職人になられたのですか?

主なナチュラルチーズは、ミルクと塩と凝乳酵素、このたった3つの材料で作られているのに、世界中にはたくさんのチーズがあり、形も風味も千差万別。その奥深さに興味を持ちました。

それから、アトリエ・ド・フロマージュの創業者である松岡夫妻の生き方に魅力を感じたことも大きいです。松岡夫妻は「カマンベールチーズを作ってみたい」という想いから脱サラし、北海道やフランスでチーズ作りを学び、ここ(東御市)にチーズ工房を構えました。その行動力と熱意、そして並々ならぬ努力に感服しています。

 チーズ作りで苦労すること、また、やりがいを感じるのはどんな時ですか?

チーズは原料のミルクや塩の他に、工房内に生息する目に見えない酵母やカビの力も利用して作るので、時にはいつも通り作業をしていても予期していないことが起こることがあります。ですから、工房内の消毒や殺菌には非常に気を使っています。

やりがいを感じるのは、やはり自分が作ったチーズをお客様が「美味しい!」と言って下さった時ですね。それが一番嬉しいです。

チーズ作りにおいて今後チャレンジしてみたいことがあれば教えて下さい。

地元の食材とコラボレーションしたチーズを作ってみたいです。東御市はクルミの産地でもあるので、クルミを使ったチーズや、長野はそばが美味しいのでそば粉を使ってみたり。長野は私の出身地でもあるので、地元の活性化に貢献したいです。

最後に「ココン」の美味しい食べ方を教えて下さい。

ココンはフランスのフェルミエ製(農家製)のチーズをイメージして作ったチーズなので、国産のナチュラルチーズとしては少しクセがあります。熟成が若いうちはさっぱりとした酸味があるので、フレッシュな味わいをお楽しみいただけます。

しかし、酸味はちょっと苦手…という方はハチミツやジャムなどの甘味を加えると、酸味がやわらぎとても食べやすくなります。熟成が進むとクセが強くなり中身がとろけてくるので、パンにぬって食べるのをおすすめします。赤ワインととてもよく合いますよ。ちなみに僕は、どちらかと言えば、若い熟成具合のココンが好きです。

ありがとうございました。

終始、物腰の柔らかい口調でインタビューに答えて下さった児島さんですが、美味しいチーズを作りたいという熱い思いと、地元長野を愛する気持ちをひしひしと感じました。

国内外で既に高い評価を得ているアトリエ・ド・フロマージュのチーズですが、今後もますます進化することは間違いないでしょう。日本のチーズ界を牽引する実力派生産者として、これからも期待したいと思います。

店名 アトリエ・ド・フロマージュ
住所 長野県東御市新張504-6(本店)
TEL 0268-64-2767
営業時間 【売店】10:00~17:30
【カフェ】10:00~17:00(土日祝10:00~17:00)
定休日 無休
公式サイト https://www.a-fromage.co.jp/

 

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ワインコーディネーター/ワインライター。
フランス留学後、ワイン専門店勤務を経て、ワインコーディネーターに。
飲み頃や旬を大切にワインとチーズの魅力を伝えるサロン「Wine Salon d’Ourse」主宰。飲食店や食のイベントプロデュースの他、ライターとしてワインやチーズに関する情報も発信している。
J.S.A.ソムリエ / C.P.A.チーズプロフェッショナル

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