ワインに賞味期限がない理由は?未開封と開封後のワインの違いと賞味期限を延ばす方法

ワインには賞味期限が記載されていません。そのせいか、私がワインの販売員をしていた当時は、お客様から「このワインはいつ頃までに飲んだらよいですか?」あるいは「随分前にいただいたワインがあるのですが、今飲んでも大丈夫でしょうか?」といったワインの飲み頃に関する質問を何度もいただきました。そこで、今回は改めてワインの賞味期限と飲み頃について詳しく解説したいと思います。

ワインに賞味期限が記載されていない理由

ワインは未開封であれば、品質が劣化することはあっても腐ることはありません。

そもそも“賞味期限”とは、未開封で表示されている保存方法どおりに保存していた場合に、品質が変わらずにおいしく食べられる(飲める)期限のことを示します。しかし、ワインは未開封であっても気温や湿度、紫外線や振動の有無など、保存状況の違いによって品質が変化しやすいことや、ワインの飲み頃が「市場に出回った時から数十年後まで」と非常に期間が長いことから、風味や美味しさの目安である賞味期限を表示することができないのです。

未開封ワインの特徴とチェックポイント

では未開封ワインは、いつ頃飲めば良いのでしょうか?

現在の日本のワイン市場では、基本的に飲み頃のワインがお店にならんでいます。なぜなら、国内外を問わず大半のワイン生産者は、飲み頃になったワインを蔵出しするからです。もちろん、しばらく熟成させればより美味しくなるワインもあるでしょう。しかし、それは適切な環境で保存した場合です。

例えば東京の夏は非常に蒸し暑く、冬は乾燥する気候条件では、ワインセラーがなければ自宅でワインを熟成させるのは難しいといえます。ワインの価格帯や種類別に飲み頃を記したので参考にしてみて下さい。

2,000円位までのデイリーワイン

スーパーやコンビニで購入できる手頃な価格帯のワインは、熟成させて飲むスタイルに造られていないので、購入したら早めに飲むと良いでしょう。

3,000円前後〜数万円のワイン

半年から数年熟成させると美味しくなるものが多いですが、ワインセラーのような特別な保存場所がない場合は夏を越さないうちに飲むのがよいでしょう。秋〜春にかけて保管する場合は、コルクが乾燥しないようにボトルを横に寝かせて置き、家の中の冷暗所に保管して下さい。

自然派のワイン(ビオワイン)

酸化防止剤無添加(もしくは通常より極めて少量の添加)のワインや、フィルターを通さずに瓶詰めされたワインなど、いわゆる自然派のワインによくみられるデリケートなワインは、購入したらすぐに飲みましょう。

古いヴィンテージのワイン

ワインセラーがあれば別ですが、古いヴィンテージのワインも早めに飲んだ方が良いでしょう。ずっと先の特別な記念日のために、と購入される方も多いのですが、年代物のワインは長い間、生産者のセラーなど最適な環境で熟成させ、まさしく飲み頃をむかえた状態で店頭にならんでいます。長い時を経た熟成ワインの素晴らしさを堪能するためにも、早めに飲むのがおすすめです。飲む際は、澱を瓶底に沈めるために、飲む数日前からボトルを立てておくことが必要です。

尚、どんなワインでも開封前にチェックしたいことは、ワインの液漏れです。液漏れは、ワインの品質劣化の要因となる急激な温度変化によって発生します。購入する時はコルクやスクリューキャップの周りがベとついていたり、赤ワインが漏れた跡がないか確認するとよいでしょう。

開封したワインの特徴

開封後のワインは、出来るだけ早めに飲みきるのがベストです。けれども、すぐに飲みきらなければいけないということもありません。一般的に、開封した瞬間からワインは少しずつ酸化して風味は劣化しますが、開封してからしばらく経った方が美味しく感じられるワインもたくさんあります。時間とともに味わいの変化を楽しむのもワインの醍醐味です。

最後まで美味しく飲むためのワイングッズ

ワインを飲み残してしまった場合、ボトル内を真空に近づけることができる道具や酸化を防止するストッパーを使えば、開封後2〜3日は十分美味しく飲めます。フルボディのしっかりした赤ワインなら1週間くらいは楽しめます。

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スパークリングワインは出来るだけ一度に飲みきった方が良いですが、もし残ってしまった場合は専用のセーバーやストッパーを使用しましょう。2〜3日はもちます。

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また、甘口のワインなら2〜3週間、シェリーやポートワインなどの酒精強化ワインは1〜2ヶ月は楽しめます。いずれにせよ出来るだけしっかり栓をして冷暗所に保管します。冷蔵庫で保管するなら、野菜庫がよいでしょう。

ワインの飲み頃を見極める方法と熟成年数

飲み頃の見極めは、ある程度の経験と知識が必要です。ですから、まずはワインを購入したお店でアドバイスをもらうと良いでしょう。以下は、主要なワインの一般的熟成年数の目安です。

ワインの種類 目安の熟成年数
ヌーヴォー 1年
ロゼ 1〜3年
ボルドー白、イタリア白 2〜5年
ボルドー白(甘口)、ドイツ白(甘口) 3〜80年
ボルドー赤、カリフォルニア赤 4〜10年
ボルドー赤(上級) 5〜50年
ブルゴーニュ白、カリフォルニア白 2〜6年
ブルゴーニュ白(上級) 4〜30年
ブルゴーニュ赤、イタリア赤 2〜8年
ブルゴーニュ赤(上級)、イタリア赤(上級) 4〜30年
シャンパーニュ 2〜5年
シャンパーニュ(上級) 4〜30年
国産白 2〜10年
国産赤 2〜30年

 ※「日本ソムリエ協会 教本2018」 参照

尚、もし自宅で1年以上熟成させたい場合は、ワインセラーの購入をおすすめします。比較的リーズナブルなコンパクトセラーから大型の業務用まで、最近は種類も豊富で家電量販店やインターネットですぐに購入できます。ワインセラーがあると安心してワインをまとめ買いできますし、大切なワインを好きなだけ熟成させることもできます。ワインライフがより一層充実することは間違いありません。

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まとめ

ワインは嗜好品ですから、飲む人の価値観によって評価は変わります。ある人は十分熟成して飲み頃と感じるワインも、別の人にはまだ若いと感じることがよくあるのです。そのため、美味しさの目安である賞味期限を決めることはできないのかもしれません。

もし、ワインを開封した時に想像していた味わいと違っても、あきらめずに飲む温度やグラスを変えてみたり、数日後に再び飲んでみるなどの工夫をしてみて下さい。思った以上に味わいが変化して、美味しくなっているかもしれませんよ。

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ワインコーディネーター/ワインライター。
フランス留学後、ワイン専門店勤務を経て、ワインコーディネーターに。
飲み頃や旬を大切にワインとチーズの魅力を伝えるサロン「Wine Salon d’Ourse」主宰。飲食店や食のイベントプロデュースの他、ライターとしてワインやチーズに関する情報も発信している。
J.S.A.ソムリエ / C.P.A.チーズプロフェッショナル

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