2018年4月19日、サッポロビール株式会社は、良質な原料ブドウの確保と、日本ワイン「グランポレール」のさらなるブランド力向上のため、2018年6月に「北海道北斗ヴィンヤード(仮称、以下略)」を開園すると発表しました。
現在急成長している日本ワイン市場は、2020年の東京オリンピック開催による訪日観光客の増加も予想されることから、今後もますます拡大すると考えられます。そこで、日本を代表するワインブランドの一つである「グランポレール」は、これまで以上に情報発信と原料調達力の強化をはかると宣言しました。その内容について詳しく報告致します。
もくじ
グランポレールの新ヴィンヤード「北海道北斗ヴィンヤード」
「北海道北斗ヴィンヤード」は、サッポロビール社(株)が既に所有する長野県の「安曇野池田ヴィンヤード」、「長野古里ふどう園」に続く3番目の自社畑となります。北海道の広大なブドウ畑で高級ワイン用のブドウを栽培し、原料を確保してワインの品質を高めること、また、サッポロビール創業の地である北海道との繋がりと、北海道のブランド力を最大限に活用することを開園の目的としています。
そして、今後ますます伸長する日本ワインの需要に対応し、2026年にグランポレールの販売量を現在の約3倍に当たる10万ケースに引き上げる計画、と公表しました。
「北海道北斗ヴィンヤード」概要
住所:北海道北斗市三ツ石
面積:25.4ha
北緯:41度
北海道内では比較的温暖な北斗市は、古くから、米・野菜・ぶどう、りんごなどの農作物の栽培が盛んで、北海道の水田の発祥地でもあります。また畑となる土地は、もともとトラピスト修道院の修道士達が開拓した大地の一部であるとのことでした。
北斗市に新ヴィンヤードを開園するに至った理由
降雨量、土壌などの諸条件が高級ワイン用ブドウの生育に最適であったことはもちろん、栽培作業の効率化が可能な広大な土地であったこと、栽培の担い手となる労働力の確保が比較的容易であったことなどが挙げられます。また、サッポロビールの創業の地として特別な縁がある北海道であること、中でも北斗市の全面的なバックアップを得られたことも大きいとのことでした。
今後の計画
25.4haに及ぶ広大な土地を2018年中に整地し、2019年に第一期の苗の植え付けを開始、2021年に最初の収穫を迎える予定です。そして、2022年にはファーストヴィンテージとして、収穫されたブドウから醸造したワインを発売することを目指しています。なお栽培品種は、メルロー、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、シラーなどを検討していますが、今まで挑戦していない品種へも挑戦する予定とのことです。
グランポレール発売15周年記念ワイン、数量限定発売
サッポロビールは2018年5月22日より、グランポレール発売15周年を記念し醸造したプレミアムな逸品「グランポレール 山梨シラー貴腐」を限定発売します。
日本ワインコンクールでも多数の受賞歴のあるグランポレールの貴腐ワイン。その醸造技術を結集した、10年先まで楽しめるグランポレール最高峰のワインです。
「グランポレール 山梨シラー貴腐」について
「グランポレール勝沼ワイナリー」内の自園で収穫された黒ブドウ品種のシラーで造られた非常にめずらしい貴腐ワインです。
そもそも、貴腐ワインは白ブドウ品種から造られるものが大半で、シラーのような黒ブドウ品種から造られるものは稀少です。さらに貴腐ワインは気象条件や生育環境などにあらゆる好条件が重なった時に初めて手にすることができる貴重な貴腐ブドウから造られます。
「グランポレール 山梨シラー貴腐」は、2005〜2008年と2013年に収穫された5年分のブドウから造られたワインをブレンドしています。果汁の糖度は41度に達する、極めて高い糖度のブドウから造られたワインのため、長期保存ができ今後も熟成が進み芳香が高まります。
艶のある琥珀色の色調と、蜂蜜のように優しく甘美な香りに溢れ、黒ブドウ品種ならではの甘く豊かな厚みが特徴です。
容量は750mlで、生産本数は60本。グランポレールのロゴ入りバカラグラス1個付き、特製ギフトボックス入りで価格は150,000円(税抜)と、日本ワイン全体を見ても最高級クラスのワインであることは間違いありません。
尚、発売方法は5月22日10時〜グランポレールネットショップ、あるいはグランポレール勝沼ワイナリー限定となっています。
まとめ
今回の発表で、サッポロビール(株)が自社ブランド「グランポレール」にかける意気込みは相当なものと感じました。
新規開園する「北海道北斗ヴィンヤード」では、長野にある2つの自社畑で生産されているブドウと同じ品種である、メルローやシャルドネを中心に栽培し、同一品種による北海道と長野の自社ヴィンヤードの違いを表現したいとも話していました。
サッポロビール(株)は、今後も日本ワインをリードするワインメーカーであり続けるとともに、日本ワインの可能性をさらに広げてくれることを期待したいと思います。