日本でも愛されているランブルスコの名門「ドネリ社」!4代目社長「ジョヴァンニ・ジャコバッツィ」氏の来日インタビュー

 イタリアを代表する発泡性赤ワインといば、ランブルスコ。

そんなランブルスコに1世紀近く情熱を注ぎ続け、今や世界中で愛されるワインメーカーに成長したイタリアエミリア・ロマーニャ州にある名門ワイナリーが「ドネリ社」です。F1フェラーリのスポンサーなど、ジャンルを超えたコラボレーションを積極的に行うことで知られる、世界的にも有名なワイナリー。

先日、イタリア食材・ワインの輸入商社であるモンテ物産の招きにより、ドネリ社の4代目社長「ジョヴァンニ・ジャコバッツィ」氏が来日されました。今回、ジョヴァンニ氏の来日に伴い、「ドネリ社」についてインタビューを行いました。

ランブルスコへの思いはもちろん、ドネリ社について、更にはおすすめのワインなど、貴重なお話をお聞きすることができました。ぜひ、お楽しみください。

Q.ドネリ社の歴史を教えてください。

ドネリ社』は、1915年にアドルフォ・ドネリ(上記肖像)によって、ランブルスコの主要産地である、北イタリアのレッジョ・エミリアという都市で創業されました。アドルフォ・ドネリは、もともとこの土地でランブルスコを栽培しており、最初は自家消費用としてワインを作っていました。その一部を友人や知り合いにプレゼントしていたところ、味わい良さが評判に。結果、市場を相手にワインづくりを仕事としてスタートさせたのです。

Q.ドネリ社のこだわりを教えてくだい。

私たちはランブルスコを作る畑にとてもこだわっています。ランブルスコの畑がある場所は平地で、その昔、川がよく氾濫したため土壌が水をよく含む湿地帯でした。この肥沃な土地であることが、ランブルスコを育てる上で重要な条件なのです。

Q.ランブルスコの醸造について教えてください。

ランブルスコは、醸造が難しいワインです。まず、アルコール発酵の後、発泡をつくる工程があるため、発酵の工程が二回あります。また、ほかのワインに比べてアルコール度数が低いため、作業全体をデリケートに行わなければなりません。最終的に、酸味残糖ストラクチャーという、三つのバランスが取れたワインになっている必要があります。このバランスを取ることが、本当に難しいですね。

Q.ドネリ社ではさまざまなランブルスコを揃えていますね。

ランブルスコと一言で言っても、クローン品種など、さまざまな種類があります。『ランブルスコ・ディ・ソルバーラ』、『ランブルスコ・サラミーノ』など、品種によってできてくるランブルスコの味わいが違うため、さまざまな種類を揃えています。

Q.イタリア国内ではどのようにランブルスコが楽しまれていますか?

ランブルスコは、イタリアで最も消費されているワインで、若い方から年配の方まで、幅広い層に好んでいただけています。発泡性のワインなので、さまざまなシチュエーションに対応しますし、アルコール度数が低いのでランチタイムにも飲まれています。若い方など、ワインを飲み始めた方が最初に飲むワインがランブルスコだった、という場合も多いですよ。

Q.日本でランブルスコが人気です。その理由は何だと思いますか?

ランブルスコは、現代に適したワインだからではないでしょうか。発泡性であり、アルコール度数が低いため、飲みやすいということもひとつの要因だと思います。また、いろいろなお料理に合わせやすいというのも、日本の方々に選ばれている理由のひとつだと考えています。

Q.「缶入りのワイン」は、日本では珍しいですが世界での反応は?

世界中で、缶入りのランブルスコをつくり出したのは、『ドネリ社』が初めてです。アメリカでは爆発的な人気を博しており、ロシア、スペイン、北ヨーロッパでも受け入れられています。ここで挙げた国以外にも、今後広く受け入れられる商品になっていくのではないでしょうか。

Q.ドネリ社が今後チャレンジしたいと考えていることはありますか?

今、さまざまなプロジェクトが進行していますが、力を入れている方向性は、クオリティの高い商品を生み出していくことです。白いランブルスコ、伝統的な製法のアンチェストラーレ、瓶内二次発酵のロゼなど、『ドネリ社』では、今後もさまざまなチャレンジを行っていきます。

ジョバンニ氏が日本の皆さんにおススメする1本!

ランブルスコ・レッジャーノ・アマービレ

英字名:Lambrusco Reggiano Amabile

ブランドDonelliドネリ

原産国名イタリア

産地(地方)エミリア・ロマーニャ

分類:赤フリッツアンテ

ブドウ品種:ランブルスコ、ランチェロッタ

格付け:Reggiano D.O.C.(D.O.P.) 

アルコール度数 9%

ボディライトボディ
飲み口:甘口

内容量:750ml

ジョヴァンニ氏のテイスティングコメント

 『ランブルスコ・レッジャーノ・アマービレ』は、日本で最も人気がある、やや甘口タイプのランブルスコです。

外観は濃い赤。泡立ちが良く、持続性があります。桑のやブルーベリーのような赤いベリー系の香りが漂うのが特徴です。やや甘口で芳醇ですが、少しだけタンニンを感じることができます。フィニッシュに心地良い酸があり、甘く、持続性があります。提供温度はやや低めの12がおすすめ。さまざまなお料理と合わせやすい、万能タイプのランブルスコです。 

Q.日本のワインファンにメッセージをいただけますか?

ワイン愛好家の方々にお伝えしたいのは、ブドウ品種でワインを選ぶのも良いですが、高品質なワインをつくるワイナリーでワインを選んでいただきたい、ということです。

例えば、我々『ドネリ社』は100年の歴史を持ち、ブドウ樹からボトリング、販売までを保証された中で一貫して行うワイナリーです。私たちは40年前から日本でランブルスコを販売し、これから40年先も高品質なランブルスコをマーケットに届けたいと考えています。『ドネリ社』は、日本の消費者の方々と、夫婦のように、共に成長していける存在でありたいと思っています。

撮影にご協力いただいた店舗

 

CA'MONTE(カ・モンテ)

〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-52-2 青山オーバルビルB1F

TEL:03-5466-4535

営業時間:月~金 10:00~20:00、土日祝11:00~18:00

定休日:年末年始

山梨県生まれの東京暮らし。フリーライター。音楽、ラジオ、ファッション、グルメなどさまざまなフィールドで活動中。甲州ワインに日常的に触れていたことで、知らぬ間にワイン通に…。ワインのちょっとした知識を小出しに紹介していきます。

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