はじめに
気温が変わってくると飲みたくなるワインも変わってきますよね。 暑くなるともっぱら冷やした白やスパークリングワインをイメージしてしまいますが、赤ワインも冷やして美味しいものがあるのをご存知でしょうか。
「赤ワインは常温で」「赤ワインは冷やしてはいけない」と聞くことがありますが、実は全ての赤ワインに言えることではありません。
冷やして美味しい赤ワインとは
それはライトボディの赤ワインです。ライトボディとはワイン用語で「飲んだときに舌にずしっとくる感覚が軽い」ワインのことをいいます。
このずしっとくる感覚はいったい何かというと、ぶどうの種や皮からくる渋味成分(タンニン)やミネラル分、アルコール分や糖分などといわれています。これらの成分が比較的低いライトボディのワインは、温度を下げるすることで味が引き締まり、酸味がいきいきとして、フレッシュ感が出るようになります。
また果実香が際立ち、全体的なバランスが取れたスマートな印象のワインとなります。
どこまで冷やしたらいい?
具体的な温度としては12~14度といわれています。実際にご家庭で飲む場合、どのように冷やしたらいいでしょうか。1~2時間ほど冷蔵庫で冷やす、10分ほど氷水を張って冷やすなどがありますがご家庭によって状況はさまざまだと思います。
そこで、おすすめの目安は「瓶がほんのり冷たいこと」です。白ワインやスパークリングワインのようにしっかりと冷やす必要はありません。 瓶を握ってみて「あれ冷たいかな?」ぐらいがちょうど良く、中のワインは案外そこまで冷えておらず飲み頃となっています。
どんなワインがある?
それでは具体的にどんなワインがあるかご紹介いたしましょう。
1.フランス・ロワール地方のカベルネ・フラン
カベルネ・フランは冷涼な気候のロワール地方で最も多く栽培されている黒ぶどうです。 タンニンが比較的少なく、イチゴのような愛らしい香りが特徴です。代表銘柄としては「ソーミュール」「トゥーレーヌ」「シノン」があります。
2.イタリア・ピエモンテ州のバルベーラ
バルベラはレッドチェリーのようなはつらつとした酸味と親しみやすい果実味が特徴です。 代表銘柄としては「バルベーラ・ダルバ」「バルベーラ・ダスティ」があります。
3.ニュージーランド・セントラルオタゴのピノ・ノワール
ピノ・ノワールといえばフランス・ブルゴーニュ産が有名ですが、近年ではニュージーランド産も評価が高まっています。 緯度が高く、昼と夜の温度差があり、比較的乾燥した気候と良いぶどう栽培の条件が整っています。ブルゴーニュ産のものと比較するとスパイシーで厚みのある印象があります。
おわりに
ワインは温度によって感じる印象がぐっと変わる飲み物です。 今年の夏は白ワインだけではなく赤ワインも冷やして、お料理に合わせるワインのバリエーションを増やしましょう。新しい発見があるかもしれませんよ!