「自然派」はワインの世界では非常に厄介な言葉

はじめに

最近、あちこちで「自然派」という言葉を耳にするようになりました。

英語で「Naturalist」と呼ばれ、この音の響きだけでも非常に感じがいいです。しかし、「自然派」という言葉、実はワインの世界では非常に厄介な言葉です。

という事で、今回は自然派ワインについてお話しいたします。

自然派ワインってどんなワイン?

なぜ、「自然派」という言葉が厄介かと言うと、一言で「自然派ワイン」といっても色々なスタイルの生産者がいるからです。

一切化学肥料や除草剤を使わない生産者もいれば、必要に応じて限られた量だけ使用する人もいます。化学肥料を撒かない代わりに使用するものも、生産者によってそれぞれ違います。 国によっては政府が管理して「お墨付き」を与えるところもあれば、そうでないところもあります。フランスのワインに貼られている「ABマーク」は「Agriculture Biologique」の略で、フランス政府の設ける厳しい基準をクリアしたワインに与えられます。

「自然派ワイン」の共通するポイントをひとつ挙げるならば、皆同じ思想のもとにワインを造っているということではないでしょうか。それは「人間の自然を顧みない我儘さを捨て、生態系とのバランスが取れたワイン造りを行う」という強い信念です。

自然派ワインの取り扱いは慎重に

通常、ワインは痛むのを防ぐために「酸化防止剤」が体に問題のない程度加えられています。この防止剤はあたかも悪者のように聞こえますが、ペットボトルのお茶でも、コンビニのお弁当でも、殆どの食品に少量添加されています。

逆を言うと自動販売機のお茶がボタンひとつで一年中いつでも美しい色を楽しむことが出来るのは、間違えなくこの酸化防止剤のおかげなのです。

おわりに

いかがでしたでしょうか? フランス産のワインであれば、ABマークが一つの基準となるので、自然派ワインが気になる方は、ボトルをチェックしてみて下さい。

J.S.A.認定シニアソムリエ/International A.S.I. Sommelier Diploma(国際ソムリエ協会認定ソムリエ)/WSET ®Diploma/WSET ®Recommended Tutor/Internal Assessor/米国ワインエデュケータ協会認定CWE/2008年 「オーストリアワイン大使」コンテスト優勝/2010年 WSET®「The Wine Australia Scholarship Award」/2016年 第10回J.S.A.ワインアドバイザー全国選手権大会 優勝/アカデミー・デュ・ヴァン講師
大手ワイン専門輸入商社にてマーケティングを担当、世界中のワインに触れる。退社後渡米し、カリフォルニアでのワイン修行を経て帰国。現在は、日本最大のワインスクール「アカデミー・デュ・ヴァン」の人気講師としてワインの魅力を伝えている。

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