豚のもも肉を塩漬けし、熟成してつくられる生ハム。ワインを飲む人であれば、当たり前の食材ですが、生ハムを買うときに、原料がどんな豚で何ヶ月熟成させているか?を気にした事はないと思います。
チーズと同様「ワインのおつまみ」の代名詞ですが、生ハムの知識は意外と広がっていません。
という事で、今回はワインのおつまみの代表でもある生ハムについてご紹介します。
イタリア産の生ハム(プロシュート)
イタリア産の生ハムはプロシュートと呼ばれます。ただ、イタリアでプロシュートといえば加工肉の総称を意味するので、正式には、プロシュット・クルード(prosciutto crudo)と言います。
古代ローマの時代より愛されてきた、長い歴史を持つイタリアの伝統食品「生ハム」。その生産量の半分以上はエミリア=ロマーニャ州パルマ産で、白豚を使用し、パルマ地方の気候を活かして長期乾燥、熟成させることにより、余分な水分と油分が抜け芳香な風味でまろやかに仕上げています。
中でも、プロシュット・ディ・パルマという生ハムは世界三大生ハムの1つです。プロシュット・ディ・パルマは、肉を塩漬けした後、1年~2年という長い時間をかけて乾燥、熟成させています。
また、イタリアのプロシュートは、皮付きのままの状態で塩漬けし、熟成させているので、塩分が低く甘みがあるので、パンとの相性が抜群です。
スペイン産の生ハム(ハモン)
生ハムはスペインでも人気です。代表的なものに、ハモン・セラーノやハモン・イベリコがあります。
ハモン・セラーノは、スペインの山岳地帯で作られ山のハムと言われています。こちらは黒豚ではなく白豚を使用し、寒冷な気候を利用して1年以上じっくりと熟成させることで、独特の風味を生みだし、イタリアのプロシュート・デ・パルマと並ぶ世界三大ハムの1つとも言われています。
また、イベリコ豚を原料にしたハモン・イベリコも代表的なスペイン産生ハムです。生産数はハモン・セラーノより少なく、イベリコ豚の飼育にも手間がかけられ、出荷されるまでの熟成期間も長いため、非常に高価な生ハムとして有名です。
スペイン産の生ハムはイタリア産と違って、皮を剥いで脂の状態で塩漬けし、熟成させているため塩分が強いので、生のままオードブルやサラダ、果物(生ハムメロン)に使用されています。
まとめ
世界三大生ハムはイタリアの「プロシュット・ディ・パルマ」、スペインの「ハモン・セラーノ」、あと1つ中国の金華豚を使用した「金華火腿」の3つが世界三大生ハムと言われています。
他にもドイツのラックスシンケン、フランスのジャンボン・ド・バイヨンヌなど、知名度はイタリア、スペインに及びませんが、その他の国でも作られています。もちろん日本でも作られているので、自分の好みの生ハムを見つけてみてはいかがでしょうか?