コストパフォーマンス抜群!注目のワイン産地「チリ」を知ろう

はじめに

フランスを代表とする伝統国と比べ、チリのワイン造りの歴史は長くありません。それにも関わらず同国のワイン造りは急成長を果たし、日本におけるワイン輸入量においても、フランス、イタリアにつぎ第三位となっています。

※2015年、国別輸入量でついに本場のフランス、イタリアを抜き初めて1位となりました。

なぜこのように大成功をおさめることができたのでしょうか。

たくさんの要因があげられますが、ひとつは重要産地の大半が豊かな日照で、乾燥ぎみ、収穫期に雨が少なく、ブドウ栽培にとって理想的な気候だからです。

ふたつめは人件費や土地代が世界その他のワイン産地よりも高額でないので、フランスやスペインなどの伝統国からの海外投資が盛んに行われていることです。

これらの条件が功を奏で、チリは今世界で注目のワイン産地のひとつになっているのです。

チリカベって何?

「チリカベ」という言葉を耳にしたことはありますか? お察しの方も多いでしょう。「チリのカベルネ・ソーヴィニヨン」を略して「チリカベ」と呼ぶのです。

実は1990年代後半、我が国でもチリカベブームが到来した時期がありました。この頃は第五次ワインブームの真只中にあり、特に赤ワインに含まれているポリフェノールなどの成分が、体に何らかの良い作用をもたらすのではないかということが引き金となり、爆発的に赤ワインが売れるようになったのです。

しかし、その当初売られていた赤ワインのほとんどが、渋みの荒々しいもので飲みにくかったため、入門者にとっては受け入れがたいものでした。

そんな中、タイミングよく現れた救世主こそ、チリ産カベルネ・ソーヴィニヨンだったのです!この国のカベルネ・ソーヴィニヨンは渋みがマイルドで果実味がはっきりしているものが多く、親しみやすい味わいなんです。

また、嬉しいことに価格も家飲みするにはちょうど良いものが多かったことが追い風となったのです。

チリでソーヴィニヨン・ブラン!?

ソーヴィニヨン・ブランは冷涼な場所で実力を発揮します。温暖な産地では香りも酸味もぼやけた印象になりイマイチです。

それでは「チリにこのブドウ品種にふさわしい寒い場所があるのか?」と疑問に思われた方もいらっしゃるでしょう。たしかにチリというと乾燥して温暖なイメージが持たれがちです。 しかし、それは間違いです。

実際は南極からフンボルト寒流が流れ込み大地を冷やしているため、沿岸部に関しては局所的に気温が低いのです。

おわりに

いかがでしたか? チリワインは安くて美味しいワインの地位を不動のものにしました。質も年々向上しているので、ビギナーの方はワイン選びに困ったらチリワインを選んでみて下さい。

J.S.A.認定シニアソムリエ/International A.S.I. Sommelier Diploma(国際ソムリエ協会認定ソムリエ)/WSET ®Diploma/WSET ®Recommended Tutor/Internal Assessor/米国ワインエデュケータ協会認定CWE/2008年 「オーストリアワイン大使」コンテスト優勝/2010年 WSET®「The Wine Australia Scholarship Award」/2016年 第10回J.S.A.ワインアドバイザー全国選手権大会 優勝/アカデミー・デュ・ヴァン講師
大手ワイン専門輸入商社にてマーケティングを担当、世界中のワインに触れる。退社後渡米し、カリフォルニアでのワイン修行を経て帰国。現在は、日本最大のワインスクール「アカデミー・デュ・ヴァン」の人気講師としてワインの魅力を伝えている。

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