フランスとドイツの文化が交錯するアルザス地方の魅力

はじめに

フランス東端に位置し、ドイツ国境と隣接するアルザス地方。この地方の独特なスタイルを持つアルザスワインについてのご紹介です。

アルザス地方は、フランスとドイツに交互に支配された歴史があり、食文化もワインもフランス圏でありながら、ドイツ色が今もなお色濃く残っています。

白ワイン生産地

アルザス地方はフランスで最も少ない降雨量で日照量にも恵まれアルコール濃度も高く凝縮感のあるワインが出来、テロワールの多様性から多種のぶどう品種が栽培されています。

主要ぶどう品種は、高貴な白ワインを生むリースリング。非常に上品なアロマを放つゲウエルツトラミネル。クレヴネルとも呼ばれ、フレッシュなワインをうむピノブラン。マスカットのアロマが香るミュスカダルザス。生産量が安定していて、爽やかなワインができるシルヴァネール。スモーキーなアロマが感じられるピノグリなど、ドイツ系のぶどうが栽培され、白ワインが9割を占める生産地でピノノワールから造る赤ワインも少し造られています。

また、この地方の発砲ワイン、クレマンダルザスも造られていて、シャンパーニュと同じく瓶内二次発酵方式で造られ、クレマンの中ではフランス国内市場ではトップの座を誇っています。

独特なワインボトルとワイングラス

アルザスワインは単一品種で造られる事が多く、ぶどう品種がラベルに表記されていて、品種の特徴そのものを楽しむ事ができます。また、フランスの他の地域では使われていない、細長く背の高いアルザスフリュートと呼ばれるワインボトルの形状も特徴です。

ワイングラスも独特で、小ぶりで緑色の脚がついたものや、脚が細くグラスのふちが内側にカーブしている、伝統的なアルザスグラスがあり、アルザスワインの豊かな酸とフレッシュな果実味、エレガントさをゆっくりと楽しむ事ができます。

おわりに

春から夏にかけて様々な花々が咲き乱れます。絵画の様に美しい街並を魅せ、アルザス特有のコロンバージュ様式の建物を目に街を歩けば、おとぎ話の世界に迷い込んだ様な気分にさせてくれるアルザス地方。

この季節、冷やしたワインをチョイスしたくなります。アルザス地方の白ワインを、楽しんでみてはいかがでしょうか?

東京都在住。主人の海外赴任によりフランス・パリへ移住。そこで、フランスワインやフランス家庭料理・地方料理を学ぶ。フランスワイン10大産地を巡り知識を深め、日本に帰国後、ワインエキスパート、チーズプロフェッショナルを取得。おもてなし料理を得意とし、家ワインを楽しんでいます。

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