味わいのバランスを利用しよう!甘口ワインの楽しみ方

甘口ワインはお食事には合わない?

「甘いワインはお食事に合わないから飲みたくない!」...時々そんな声を耳にします。でも本当に甘いワインはデザートと合わせるしかなく、お食事には合わないのでしょうか?

答えはNOです! 上手に味わいのバランスを利用すれば食事中に楽しむことができるのです。特に甘味と塩味はとても相性がよく、同時に取ると双方が高め合う効果があるのです。

たとえばお汁粉と塩昆布、スイカに塩、みたらし団子のタレ….これらも甘味と塩味の絶妙なバランスですね。

ワインにおける定番の食材は?

極甘口ワインの定番のお供はブルーチーズです。

ただし、優しい甘口のワインであれば生ハムなどのほんのり塩辛いものを合わせるといいでしょう。ワインの甘さの程度に応じて塩味の強さも選んであげると、より一層素晴らしいマリアージュを楽しめます。

世界の甘口赤ワイン

赤ワインは一般的に辛口ですので、甘口タイプの赤ワインは珍しいとも言えるでしょう。しかし、世界を見渡せば、このようなスタイルのワインが所々で産出されているので、代表的な甘口赤ワインをご紹介しましょう。

ルビー・ポート

ポルトガル北部ドウロ川流域で作られるワインです。アルコール度数が高く、平均20パーセント前後です。中世の頃に、イギリス人に愛でられたワインです。

バニュルス

フランス南部ラングドック・ルーション地方で作られるワインです。品種はグルナッシュを中心としています。アルコール度数が15.5%前後と、ルビー・ポートほどではないですが高めで、チョコレートに合わせる定番のワインです。

ランブルスコ

イタリア東部エミリア・ロマーニャ州にて造られる、発泡性の甘口赤ワインです。わずかに辛口ワインも生産されていますが、断然、甘口の方がメジャーです。第二次世界大戦後にアメリカを中心として人気が高まりました。

おわりに

いかがでしたか? 以前、家ワインの定期購入でもハンガリーのトカイ(辛口)をお送りした事がありますが、このトカイは昔から高い名声を得ています。

トカイの甘口ワインは貴腐菌という特殊なカビを生やして造っており、「世界三大貴腐ワイン」のひとつに数えられています。フランスの王様ルイ14世にも「ワインの王。王のワイン」と称され寵愛されました。

大きな百貨店やワインショップなどに行くと、ずんぐりとした形の500mlの瓶に入れられて陳列されていますので一度探してみてください。

J.S.A.認定シニアソムリエ/International A.S.I. Sommelier Diploma(国際ソムリエ協会認定ソムリエ)/WSET ®Diploma/WSET ®Recommended Tutor/Internal Assessor/米国ワインエデュケータ協会認定CWE/2008年 「オーストリアワイン大使」コンテスト優勝/2010年 WSET®「The Wine Australia Scholarship Award」/2016年 第10回J.S.A.ワインアドバイザー全国選手権大会 優勝/アカデミー・デュ・ヴァン講師
大手ワイン専門輸入商社にてマーケティングを担当、世界中のワインに触れる。退社後渡米し、カリフォルニアでのワイン修行を経て帰国。現在は、日本最大のワインスクール「アカデミー・デュ・ヴァン」の人気講師としてワインの魅力を伝えている。

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