信州ワインバレーの1つ、千曲川ワインバレー

はじめに

世界のワイン産地には、ナパ・バレーやハンター・バレーなど、バレーとつく名前を良く見聞きします。本来は谷という意味の英語ですが、最近ではワイン産地を連想させる言葉にもなってきています。

そこで、長野県は県を挙げて信州ワインバレーという、日本を代表する質の良いワインの生産地域をたちあげました。NAGANO WINEというブランド化を目指しています。

信州ワインバレーは、千曲川ワインバレー、日本アルプスワインバレー、桔梗が原ワインバレー、天竜川ワインバレーと、立地と気候によって4つのバレーに分けられます。

そのうちの千曲川ワインバレーを巡りましたので、今回、ご紹介したいと思います。

千曲川ワインバレー

千曲川ワインバレーは降水量が少なく日照時間が長い、また、水はけも良いことから土壌の質は、欧州系ブドウに適していると言われています。近年個人ワイナリーも増え、さらに今年はワイナリー起業家を育成するアカデミーも開校しました。

それでは今回見学させていただいたワイナリーを4つご紹介します。

ヴィラデストガーデンファームアンドワイナリー

画家でありエッセストでもある玉村豊男氏がオーナーのワイナリーです。

本来は隠居のつもりで長野に移り住んだとのこと。ワイナリーを作るつもりはなかったようですが、結果的にワイナリーのオーナーとなってしまったようです。

ブドウ畑も素晴らしいけれども、お花畑や大自然に満ち溢れているファームでもありました。ワイナリーの設備や作業は常時、カフェから見ることができます。

製造工程の1つ、瓶詰めをガラス越しに見ることができました。土日祝日は無料のワイナリーツアーを行っているそうです。ただし、テイスティングは行っていません。

INFORMATION ヴィラデストガーデンファームアンドワイナリー 住所:長野県東御市和6027 TEL:0268-63-7373 http://www.villadest.com/

アルカンヴィーニュワイナリー

ヴィラデストワイナリーから車で5分の場所にあります。今年の4月にオープンしたばかりのワイナリーです。フランス語で直訳すると「ブドウがつなぐアーチ」これは人と人をワインで繋ぐという意味が込められているそうです。 このワイナリーの代表は、ヴィラデストファームアンドワイナリーと同じ玉村豊男氏、玉村氏はワイナリーの起業家を育成する千曲川ワインアカデミーもここに併設しています。 アカデミーの2015年の募集はすでに締め切られているそうです。 ラウンジはとても落ち着くデザインでした。ヴィラデストワイナリーのワインの試飲が工場見学と一緒にできて、500円です。(有料の試飲もあります)フランスで使用されていた昔の圧搾機がテーブル代わりでおしゃれでした。 地下には真新しい醸造工場がありました。動瓶させる板、ピュピトルもあり、スパークリングワインも作られるようです。ただ、まだ醸造工場は稼働していませんでした。 試飲したヴィラデストワイナリーのワインたち、エチケットの絵は画家である玉村氏の作品です。

INFORMATION

アルカンヴィーニュワイナリー

住所:長野県東御市和6667

TEL:0268−71−7082

http://jw-arc.co.jp/

サンクゼールワイナリー

標高650mの自然豊かな丘陵地にあります。もともとはペンションからの出発だそうです。夫人の無添加リンゴジャムが評判をよび、ペンションから斑尾高原農場に変貌、そしてさらにサンクゼールワイナリーに至ったとのことです。 葡萄はゆっくり流れる時間の中で、太陽の恵みを浴びて育っていきます。葡萄畑には、病気をいち早くキャッチするバラも植えてありました。葡萄の木につく害虫は、まずバラにつくことから、バラを観察していれば、ブドウの木が害虫にやられる前に害虫駆除ができる、というわけです。 葡萄畑の見えるレストラン、その横にはチャペルもありました。また、広いガーデンには心地良い風が吹き、のんびり1日過ごしてみたいと思わせてくれるような場所でした。 ワイナリーも含め、これらすべてをサンクゼールの丘と呼んでいるそうです。ワインを片手に1日ずっと座っていたいと思わせるようなガーデンでした。

INFORMATION

サンクゼールワイナリー

住所:長野県上水内郡飯綱町芋川1260

TEL:026-253-8002

http://www.stcousair.co.jp/

リュードヴァン

カッコウの声が遠くから聞こえる中での訪問でした。ちなみに「Rue de Vin」とはフランス語で「ワイン通り」という意味だそうです。 最初に試飲から始まりました。今回は「シャルドネ、2013」をいただきました。ワイングラスを持ちながらワイナリーの見学です。ワインは心地のよい酸味とミネラル感&フルーティーさが漂う感じで、美味しくいただきました。 将来は、NAGANO WINEの確立、更にお祝いに使われるような良質のスパークリングワインをつくりたいとおっしゃってました。オーナーの小山氏のワインに対する熱い情熱が伝わってきます。 畑も、使われていない荒れた畑や水田をぶどう畑に替えています。現在の畑は点在していますが、だんだんと広くなってつながっていくでしょう。

INFORMATION

リュードヴァン

住所:長野県東御市祢津405

TEL:0268-71-5973

http://ruedevin.jp/

おわりに

千曲川のワイナリーを駆け足で巡ってきました。それぞれのワイナリーのワインに対する思い入れ、頑張り、努力、苦労、工夫を肌で感じ、日本のワインを応援したいと強く思いました。 特にリュードヴァンの小山氏の「日本はワインの発展途上国です」と言う言葉が印象的でした。

横浜在住の本職は薬剤師。ある日突然ワインに目覚め、ワインの奥深さに驚き、それから、ワインの勉強には現在進行形です。

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