はじめに
赤ワインの健康効果が語られる時、必ず話題になるのが「フレンチ・パラドックス」(フランスの逆説)...今から約25年も前、1990年代に発表された論文です。
赤ワインブームがおこる以前は、渋みが少なくさっぱりと飲みやすい白ワインが人気でした。その後、赤ワインが人気になった背景には、赤ワインの健康効果との深い関連があったのです。さて、 そのきっかけとは何なのでしょうか?
フレンチ・パラドックスとは
1989年、世界保健機関による心臓病と生活習慣に関する調査結果が発表されました。乳脂肪消費量と心臓病などによる死亡率を調べた調査で、「バターや生クリーム・チーズなど動物性脂肪分をたっぷり摂っているフランス人は、心臓病で死亡する人が少ない」という調査結果です。
通常とは逆の結果に、世界中が注目しました。この謎に対しての答えは、フランス人は赤ワインを毎日飲んでいるからとのことでした。この報告「フレンチ・パラドックス(フランスの逆説)」をきっかけに、アメリカを中心に世界的に赤ワイン人気となったのです。
では、なぜ赤ワインを飲むと心臓病を防ぐことができるのでしょうか?
ポリフェノールの効果
バターや生クリーム、肉などの動物性脂肪をたくさん摂ると、悪玉コレステロールが増加します。この悪玉コレステロールが血液中で酸化し、動脈に沈着することにより、動脈硬化を引き起こします。そして、心筋梗塞や狭心症などの心疾患を引き起こす原因になるのです。
赤ワインに豊富に含まれる「ポリフェノール」が、動脈硬化などを引き起こす悪玉コレステロールの酸化を抑制する働きがあり、動脈硬化の予防に効果があるということがわかりました。脂質を低下させる作用があり、活性酸素を中和する働きもある「ポリフェノール」。ポリフェノール含有量が多い赤ワインほど、動脈壁内の細胞の異常増殖が抑制されることが確認されています。
では、具体的にどのような赤ワインに多くポリフェノールが含まれているのでしょうか。渋みが強く年代の古い赤ワインの方がポリフェノール含有量が多く、効果的といわれています。カベルネ・ソーヴィニョンやネッピオーロなどの品種で、ボディのしっかりした渋みの強いものほど、健康効果がありそうです。
"適量の赤ワインは、心臓病リスクを少なくする"という「フレンチ・パラドックス」は、世界中で注目を集め、さらなるワインの健康効果を調べるきっかけにもなりました。今もなおワインの健康効果は、様々な分野で研究されています。
おわりに
いかがでしたか? 大好きなワインを飲んで、健康にもなれる!なんて、うれしいことですよね!
しかし、飲みすぎは禁物。肝臓病などの病気を引き起こす要因にもなります。あくまでも適量を楽しく飲んでこそ、健康にも効果があるということを忘れずに!