はじめに
少子化が叫ばれ、65歳以上の高齢者が増加しつづける日本。2004年をピークに総人口は減少し、2030年には65歳以上の高齢者が全人口の31.8%となると予想されています。
また、認知病高齢者も増加していくと云われており、2015年の厚生労働省の発表によると、2025年の認知症患者は現状の1.5倍以上になるとのこと。
近い将来、65歳以上の3人に1人が認知症または予備軍になっている可能性が...しかし、フランスのボルドー大学の研究グループが行った疫学調査で、一定量のワインを毎日の飲み続けることがアルツハイマー型認知症予防に効果があることを突き止めています。
今回はアルツハイマーとワインについてご紹介します。
認知症とは?
認知症には、アルツハイマー型、脳血管型、レビー小体型、前頭側頭型のなどがあります。日本で、もっとも多いのがアルツハイマー型です。
脳の中にβアミロイドと呼ばれるタンパク質が増え、たまると、健全な神経細胞を変化、脱落させて脳の働きを低下させ、脳が委縮します。このようにして、徐々に認知症の症状が進行していきます。
多くの場合、物忘れから始まり、時間・場所・人の見当がつかなくなります。進行すると失語症をはじめとする知的障害があらわれ、末期では拒食・過食・失禁などの症状がでてきます。
どのような人になりやすい?
はっきりとした原因は解明されていませんが、下記のような人はリスクが高いと言われています。
・仕事などのストレスが多い。
・睡眠不足、運動不足、飲酒、喫煙をする人
・揚げものなどのジャンクフードを多く食べる人、血糖値の高い人
高齢化とともに、社会問題となっている認知症。
残念なことに、特効薬といえる治療薬も治療方法もないのが現実です。認知症になってしまう前に、ならないようにする!ことが、私たちにできる最大の予防であり、治療といえるでしょう。
ワインで予防?
そこで、ポリフェノール豊富な赤ワインが重要な効果を発揮します。赤ワインに含まれるポリフェノールがアルツハイマー型の原因とされるタンパク質を分解することがわかりました。
冒頭にも記載しましたが、フランス、ボルドー大学の研究で、毎日グラスで3~4杯飲んでいる人の場合、アルツハイマー型認知症の発生率が、酒を全く飲まない人のわずか1/4に留まっている事が数年の研究で分かりました。
研究の結果によると、赤ワインの飲酒量と認知症の発症関係に相関関係があるということで、血管の老化、酸化を防ぐのが赤ワインに豊富にふくまれるポリフェノールの抗酸化力の効果だと言われています。
また、ワインに含まれるマグネシウムやカリウムなどのミネラルが、脳細胞の活性化に効果があり、アルツハイマーの予防に効果的なのではと、期待されています。
おわりに
いかがでしたか? 毎日適度にワインを楽しむと様々な健康効果に繋がりそうですね。
認知症予防に関しては、青魚に多く含まれるEPA・DHAなどのオメガ3脂肪酸や、果物や野菜に豊富に含まれるビタミンCやE、βカロテンの摂取も認知症予防に大切な栄養素なので、赤ワインとともに、ビタミン豊富な食材もたっぷりと摂って、若々しい脳を保ってください。