チーズは世界中で作られていますが、今回はスイスのチーズに注目してみます。
スイスのチーズと言えば、デコボコの穴が空いたエメンタール、チーズフォンデユに使うグリュイエールなどがよく知られていますね。そして、なんと言ってもスイス料理「ラクレット」に使われるチーズ、ラクレットでしょう。
かたまりのチーズの切り口を暖炉の火であぶり、溶けたところを茹でたじゃがいもにかける素朴な料理ラクレット...そうです。アルプスの少女ハイジで、山小屋に住むおじいさんがハイジに作ったあのチーズ料理です。
今回のチーズコラムはスイスのチーズ「ラクレット」を簡単レシピとともに紹介しますね。
使用するチーズ
ラクレット(Raclette)
産地:スイス ヴァレ地方およびスイス全土
原料:牛乳
形状:円盤状 直径30cm 高さ7cm
外皮:洗ってできる皮、薄い茶色
中身:クリーム色~薄い茶色
熟成:最低6か月
ラクレットとは「削る」という意味のフランス語「ラクレ」から来ている名前で、料理名であるとともにチーズの名前でもあります。
牛乳からできているセミハードタイプのウォッシュチーズで、熟成からくる果物のような香り、ナッツ系のコクとうまみ、ミルクのまろやかな甘さが特徴的。表面を塩水で洗う作業をするので、外皮はやや薄い茶色をしていますが、香りはきつくなく皮も一緒に食べられます。
焼くと旨みが増し、ミルクの風味が凝縮。香りも立ってとろりとした食感がたまりません。暖炉のイメージで冬のチーズに思われがちですが、ラクレットは1年中出回っているチーズです。
最近はレストランなどでラクレットが静かに流行っているようです。切り口をあぶって溶けたところをバゲットでひと掬い...「たくさん取れてうれしい!」「うらやましい!」と言って、皆で盛り上がっているようです。 それでは家庭でできる簡単レシピのご紹介です
材料:4人分
じゃがいも 3個
塩 少々
バター 大さじ1
ラクレット 30g
作り方
【1】じゃがいもは皮をむいて千切りにし、塩少々を混ぜ合わせる。(ピーラーを使うと便利)
【2】フライパンにバターを溶かし、【1】のじゃがいもを入れて平らにする。
【3】弱火から中火でゆっくり焼いて、カリッと焼けたら裏返す。
【4】切り分けたラクレットをのせて、さらに加熱する。(蓋をするとよく溶ける)
ラクレットを加熱する専用の「ラクレットオーブン」というものもありますが、美味しくいただくにはホットプレートやフライパンで十分。
合わせるワインはスイス ティーチノ州のメルロー主体の赤ワイン。コクがあってチーズを引き立てます。アルザスのリースリングや、ジュラ地方の甘口のワインもおすすめです。
茹でたじゃがいもとチーズも美味しいですが、細切りにしたじゃがいもをフライパンでカリッと焼いてラクレットをのせて仕上げるので、見栄えがしておもてなしにもぴったりですね。
焼きたてを切り分けて、ふうふうしながら召し上がってください。