こころみ学園のワイン醸造場 ココ・ファーム・ワイナリーへ行ってきた。

はじめに

先日、栃木県足利市にあるココ・ファーム・ワイナリーに行ってきました。 ココ・ファームは多くの知人から「とってもいいから行ってみて」と聞いていて、私自身とても気になっていたワイナリーです。足利市からバスを降り少し歩くと、こころみ学園の建物、急斜面に広がった葡萄畑、カーブ、ワインショップ、カフェと続いてました。

葡萄畑は平均傾斜38度の急な斜面に広がっています。この葡萄畑は1950年代に、知的障害をもった少年達によって開かれ、開墾依頼、除草剤が巻かれたことがなく、発酵は天然の野生酵母を中心に行われています。見学コースに参加し、このワイナリーの心温まる あゆみを聞く事ができました。

ココ・ファーム・ワイナリーのあゆみ

1950年代に、当時中学の特殊学級の教員だった川田昇氏、特殊学級の子供達が中心になって2年がかりで急斜面を葡萄畑を開墾し、その後、知的障害者更生施設「こころみ学園」をスタートさせました。

この葡萄畑は開墾以来、除草剤を一切撒いたことがありません。除草剤を撒かないため、様々な虫や鳥たちがやってきます。また、急斜面なので大型の機械や車両は入りません。そのため、剪定はもちろん、病害虫の駆除、そして、病害虫の予防のための「袋かけ」など、365日、手作業で数々の作業を行ってきました。現在、こころみ学園には17歳~88歳までの方が元気にお仕事していますが、人の丁寧な手作業で栽培された葡萄は元気に育っていました。

セミナーやカフェ

見学では、タンクやカーブ、葡萄畑の見学もできました。 ご案内係の方のお話がとっても上手で、ワインの知識がなくても楽しめるかと思います。 ワインショップでは、自家製ワインをはじめ、ワイングッズやチーズやカヌレ、お菓子、野菜等も売られています。 ワインテイスティングも500円で5種類のワインとおつまみで楽しめます。左からスパークリングワイン、白ワイン・赤ワインはそれぞれ5種から2つ選んで試飲させていただけました。 カフェでワインと食事もいただきました。合わせたのはNOVOというスパークリングワインです。このスパークリングワインは、瓶内ニ次発酵のシャンパン方式でつくられています。

毎日瓶を45度づつ回すルミアージュ、澱を凍らせ澱をぬくデゴルジュマン、門出のリキュールを加えるドサージュ、コルクを打ちワイヤーをかける工程...全て手作業で行われ、丁寧につくられたスパークリングワインです。

2000年の沖縄サミット晩餐会の乾杯にも使われ、ココ・ファームでは人気のスパークリングワインです。カフェでは頼めましたが、残念ながらショップでは売り切れになっていました。

おわりに

小さいワイナリーでしたが、美味しいワインと沢山の素敵なあゆみがありました。カフェでワインをいただきながら、急斜面の葡萄畑を眺めていると、沢山の丁寧な手作業を重ねてこのワインが出来ているんだと感謝の気持ちと非常に温かい気持ちになれました。

東京からも日帰りでいけるワイナリー、是非、皆さんも足を運んでみてください。

ココ・ファーム・ワイナリー 

〒326-0061 栃木県足利市田島町611

TEL:0284-42-1194

 http://www.cocowine.com エリアマップ

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料理研究家。東京世田谷で少人数料理教室サロン・ド・ルージュを主宰。日本ソムリエ協会認定ソムリエ、利き酒師、栄養士。身近な旬の食材で家庭でも作りやすい料理を提案。 お酒全般好きで、ワインも大好き。 得意料理は家にある食材でササっと作るお酒のおつまみ。 家に人が集まる機会が多く、家ワインとおつまみで楽しんでます。

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