レストランでの食後酒に!ブドウの搾りかすから造られるマールやグラッパとは?

はじめに

皆さんはレストランに行った時、食後酒を愉しみますか?

食前酒はレストランに行くと最初に必ずソムリエさんが「いかがですか?」と声をかけてくれるので頼みやすいのですが、食後酒となるとまだまだ気後れしてしまう人も多いのではないでしょうか?

今日は、レストランやホームパーティで、またもちろん家での夕食時でも、気軽に愉しめる食後酒をご紹介します。

ブドウの搾りかすから作られるお酒

もし、食事中にワインを飲んだなら、是非、食後酒に試していただきたいのがブドウの搾りかすから造られるお酒です。蒸留酒でフランスのマール(Marc)、イタリアのグラッパ(Grappa)が有名です。

搾りかすとは何かと言うと、ブドウの皮、種、果軸、ブドウ果汁の残りなどです。造り方にもよりますが、どのワイン生産者もワインに使用するのはブドウの一番搾り果汁で、それもワインにえぐみが出ないようとてもやさしく搾りますので、搾りかすと一緒にぶどうジュースは意外と残ります。(ちなみに、もう一度搾った二番搾り果汁は格下のワインに使われたり、日本では料理用のワインとして販売されたりしています。)

そんな搾りかすから造られる蒸留酒のマールやグラッパは、日本では、以前は「粕取りブランデー」などと呼ばれ、あまり良いイメージではなかったようですが、近年はピッツェリアやハールの人気もあって知名度が上がり、美味しさが再認識されたようです。

味わいと楽しみ方

いずれも原料のブドウの香りがしっかりと残っていて、樽で熟成したものは香りも芳醇で甘みもあります。アルコール度数は40度程。

マールやグラッパの生産者はワインの著名な生産者であることも多く、かのロマネ・コンティやCH.ムートン・ロートシルトもマールを造っていますし、イタリアの有名なワイン『サッシカイア』のグラッパもあります。

飲み方は、常温保管しておいたものを、冷やしておいた小さめのグラスに注いで飲むのがおすすめです。マールやグラッパの特徴である素晴らしい香りを堪能できます。

他にも、冷凍庫でボトルごと冷やし、少量をグラスに注いで一気に飲みほし、喉越しを堪能するという飲み方もあるようですが、食後酒を愉しむ時間はいただいた食事の余韻を愉しむ時間でもあので、できればゆっくりと味わって欲しいと思います。

まとめ

食後酒には他にブランデーやウイスキーも良いですが、年代物だとびっくりほど高価だったりするので、値段を確かめずにオーダーするのは勇気がいりますね。

その点、マールやグラッパはそれらに比べると価格も良心的ですし、バーよりもレストランの方が種類も豊富に取り扱っていることが多いので、レストランで食後にソムリエさんにたずねてみると良いと思います。

また、ワインほど保管方法に気を使う必要がないので、ご自宅にも1本ストックしておけます。

他にも、デザートワイン、コニャック、ポートワイン、シャンパンなどが食後酒として一般と言われているので、ディナーの最後をお好みの食後酒で飾ってみてはいかでしょうか?

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ワインコーディネーター/ワインライター。
フランス留学後、ワイン専門店勤務を経て、ワインコーディネーターに。
飲み頃や旬を大切にワインとチーズの魅力を伝えるサロン「Wine Salon d’Ourse」主宰。飲食店や食のイベントプロデュースの他、ライターとしてワインやチーズに関する情報も発信している。
J.S.A.ソムリエ / C.P.A.チーズプロフェッショナル

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