灼熱の国、タイ・バンコクでワインはどのように飲まれている?

はじめに

今回は筆者の住むタイ王国・バンコクのお酒事情をリポートしたいと思います。連日30度を越える日々で灼熱の国タイ・バンコク...ワインとは無縁と思うかもしれませんが、そうではないんですよ。

前編はタイ・バンコクにおけるワイン事情についてご紹介したいと思います。

とにかくワインが高い

ワインラバーにはショックな事実ですね。

日本と比較するとおおよそ1.5倍の小売価格で販売されています。何がそんなに価格を押し上げているのかというと税金です。ワインを飲むのは税金を飲んでいるようなものだという人もいるくらいです。

主な内訳は、輸入関税、物品税、健康税などです。 基本的にワインは、健康を害するもの贅沢なものという認識があり、政府にとって酒類からの税金は貴重な収入源にもなります。そのため、今までにも税率の上昇がなされているほどです。

これに対してはワイン輸出国からも意見が出されており、今後税率が下がることを祈るばかりです。ちなみに税金を支払われた承認として、販売の際には写真のような政府発行の青いステッカーがネックに貼られます。

ワインはお洒落の一環である

最近ではお洒落なワインバーやワインを出すお店が増えてきました。 電飾で飾られ、流行の音楽のBGMや生演奏でにぎやかな雰囲気のお店が人気です。また、暑い国なのでキンキンに冷えた白ワインを飲みそうですが、実は赤ワインを飲んでいる人の方が多いんです。

雰囲気としては「ワインを飲むこと自体がお洒落」といったスタイル重視で、「味わいについてこだわりがない」、といった印象を受けます。ファッションとしてのワインは、日本も通ってきた道なので今後変化していくことでしょう。

川沿い、海沿いで飲むワインは最高

まだまだワイン発展途上のタイですが、これはおすすめといったワインの楽しみ方があります。それは、川沿いのホテルや海沿いのレストランで楽しむワインです。 タイにはチャオプラヤー川という大きい川が流れているのですが、その周辺にはマンダリンオリエンタルホテルやペニンシュラホテル、世界的にチェーン展開しているホテルが点在し、ちょうど川に沿うようにこぞってテーブルを設けています。

また、ビーチや島へ行くと海沿いにたくさんのレストランやバーが、ちょうど京都の川床のように突きだしたところでお酒が楽しめるようにしています。そこで夜風や海風に吹かれながら頂くワインは最高です。

もし、タイに行く機会があれば、ぜひ試していただきたいです。今話題のタイ産ワインも楽しめますよ。

まとめ

以前このようなことがありました。

タイはワイン発展途上国なので、あまりワインを提供するのに慣れていないお店も多いです。そういうお店に赤ワインを持ち込んだんですが、ワインクーラーに氷たっぷりで、キンキンに冷やして出してくれたのです。

はじめは何でも冷やすのはどうかなぁと思ったのですが、驚いたのはそれが非常に美味しかったのです。そのときはワイングラスの用意もないお店でしたので、普通の円筒形の水のみグラスで飲みました。

屋外のバーベキューのお店でしたが、ワインというものは、そのときそのときの雰囲気で味が変わる面白い飲み物だなぁと改めて感じさせられたものです。

これからも日本とは違う背景を元に発展を続けていくタイのワイン事情をみつめ続けていきたいと思います。

ワイン業界に携わり12年目を迎えました。「正しい情報を分かりやすく」をモットーにコラムをお届けします。果実味と酸味のバランスのとれたワインが好き。日本ソムリエ協会ワインアドバイザー。

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