- ワインのボトルサイズについて
- 飲み手の用途に合わせるため
- ボトルサイズごとに味わいが違うから
今回のワンポイントレッスンは、ワインのボトルサイズと味わいの違いです。
ワインのいろいろなボトルサイズについて
一般的にワインは、750ml入りのボトルに入っています。しかし、それ以外にも様々なサイズのボトルがあることをご存知でしょうか。
例えば、350ml入りのハーフボトル、1,500ml入りのマグナムボトル、その他にはレオボワームやジェロボアムなど、サイズによって難しい名前がついています。これらの名前は、戦隊もののヒーローや薬品の名前ではありません。
ワインボトルの名前は、旧約聖書や新約聖書に出てくる、王様や賢者の名前が由来となっています。ヘブライ語やギリシャ語なので、少し覚えづらい名前となっています。
では、なぜこのような様々なサイズが存在するのか……。今回はワインボトルのサイズの目的を大きく2つにわけてご紹介します。
飲み手の用途に合わせるため
1つ目は、消費者の様々なニーズに応えるためです。
一人飲み用には、1/4サイズのキャールを。2人飲み用には、1/2サイズのドゥミ、もしくはハーフを。パーティー用には2倍のサイズのマグナムを……。と、様々な用途に合わせて使い分けができるワインボトルは便利なのです。
インターネットで購入できるのは、通常のワインの16本分に値するバルタザール(12,000ml)までで、そのほとんどのワインがシャンパ―ニュです。
シャンパーニュ地方の呼び方 | ボルドー地方の呼び方 | 容量 |
キャール(Quart) | キャール(Quart) | 1/4本分サイズ(188ml) |
ドゥミ・ブテイユ(Demi bouteille) | ハーフボトル(Half bottle) | 1/2本分サイズ(375ml) |
ブテイユ(Bouteille) | ブテイユ(Bouteille) | 1本分サイズ(750ml) |
マグナム(Mugnum) | マグナム(Mugnum) | 2本分サイズ(1,500ml) |
ジェロボアム(Jeroboam) | ダブルマグナム(Double mugnum) | 4本分サイズ(3,000ml) |
レオボアム(Rehoboam) | ジェロボアム(Jeroboam) | 6本分サイズ(4,500ml) |
マチュザレム(Mathusalem) | アンぺリアル(Imperial) | 8本分サイズ(6,000ml) |
サルマナザール(Salmanazar) | - | 12本分サイズ(9,000ml) |
バルタザール(Balthazar) | - | 16本分サイズ(12,000ml) |
ナビュコドノゾール(Nabuchodonosor) | - | 20本分サイズ(15,000ml) |
※ジェロボアム(Jeroboam)は同じ名称でサイズが異なるので、気を付けましょう。
ボトルサイズごとに味わいが違うから
2つ目は、ワインのボトルサイズによって味わいが異なるので、その違いを楽しむためです。
では、どのように味わいが異なるのでしょうか。そのことを知る前にワインは生き物のようなもので、常に熟成が進んでいることを知っていてください。
「熟成」というとカッコイイですが、科学的な言い方をすると熟成は、「酸化」を意味します。
酸化とは、酸素と成分が結びついて、元の性質ではなくなることを示します。例えば、林檎を切って置いておくと茶色くなる現象も、酸化の一種なのです。
それでは、ワインボトルのサイズとワインの味わいの関係にフォーカスしていきます。
ワインボトルは小さな瓶であればある程、ワインと酸素の触れる面積が大きくなります。すなわち、小さい瓶に入っているワインの方が熟成の速度が早くなります。
それに対して、大きな瓶にワインが入っているとワインと酸素の触れ合う面積がさほど大きくないので、ワインの熟成はゆっくりと進んでゆきます。
そのため専門家の中には、「普通のボトルと比べると、大きいボトルに入っている方が美味しい。」という方もいらっしゃいます。
最後に
いかがでしたか。いろいろなサイズの瓶が用意されていたり、ユニークな名前がついているのはワインならではですね。こういったことを知っていると、家飲みの楽しくなりそうですね。